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捕食と咀嚼 その【3】 動物と植物の差とは?

2014年08月08日

動物と植物の違いをご存じだろうか?
(図1)
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動物は体を動かせることができるが、植物はできない。

この答えは、正しいとは言えない。

例えば、オジギソウは動くではないか。

指で触れるとすばやく葉を閉じ、柄の部分がお辞儀をするように垂れ下がる。

それに食虫植物のハエジゴクも動くではないか。

ハエは二枚の葉の間に入ると、葉が閉じて逃げることができない。

一方、サンゴは動物だが、動くところなど見たことがない。

どうやら、両者の差は動く・動かないだけの差ではなさそうだ。
(図2)
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さて両者の差。

植物は、二酸化炭素と水を利用して、葉の葉緑体で光合成によりエネルギーを生み出すことができる。

しかし、動物はそれができない。

だから体を動かして獲物を取りに行く必要があるのだ。

すなわち両者は、従属栄養か独立栄養かの差であることがわかる。

でも食虫植物は、虫から栄養補給していると言われるかもしれない。

しかしそれは、すべてではない。

エネルギーの補給の大部分は光合成から得ているのである。

チッソやリン酸が不足した痩せた土地で生息するためには、虫から栄養を補給する必要があったのだ。

しかしこれは、あくまで例外的存在。

基本的には、植物は、周囲から二酸化炭素・水・光が供給されるから動く必要がないのである。

さて、口唇での捕食の話に戻る。

もう一度、動画をご覧いただきたい。

「噛むことと生きること(小児編)」
(図3)
(以下の画像をクリックすると動画再生ページへリンクします)
okazaki_20140718_01

この子どもが捕食できないのは、飲み込みやすいように離乳食を口の中に入れてあげていたからだろう。

これは、先ほど述べた植物的な生き方と言えないだろうか?

口に入れてもらったら、口唇を動かす必要はないのだ。

そう!

動物はエネルギーを獲得するために体を動かせる。

だから口唇で捕食させるように与える必要がある。

すると口唇がわずかに伸びる。

これこそ動物的な生き方の第一歩なのである。

続く

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
モンゴル健康科学大学(旧:モンゴル医科大学) 客員教授
歯のふしぎ博物館 館長(Web博物館)
岡崎 好秀
⇒ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/