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スモーカーズ・フェイス

2014年01月31日

これはBBCが2001年に製作した有名な写真である。(注1)
(図1)
photo1

22歳の双子姉妹で、左のカースティさんは喫煙者、右のケリーさんは非喫煙者である。
二人が40歳になった時の顔である。
左の女性は、顔の老化が著しい。
この画像により喫煙者独特の顔貌である“スモーカーズ・フェイス”なる言葉が広がった。
喫煙により、顔のシワが増え、たるんだり、顔の色がくすんだりする。

これは喫煙により活性酸素が発生し、細胞を傷つけ老化を速めるためである。
同時に、抗酸化作用を持つビタミンCやEなど、細胞の若返りに必要なビタミン類が大量に消費される。
その結果として、肌の主要な構成要素であるコラーゲンが減り老化を早めるのだ。

しかしこの画像は、あくまで40歳までタバコを吸ったと“仮定”して作製されたものだ。

ところが昨年、実際の研究がアメリカの形成外科の学会誌に発表された。
18~78歳までの双子79組に対し、顔のパーツごとに採点したとのことである。(注2)

(図2)
photo2

ここで今回の喫煙者と非喫煙者の画像を比べてみよう。

第1問:この双子、片方は喫煙歴29年である。
喫煙者は、どちらだろうか?
じっくり、見ていただきたい。

(図3)
photo3

正解は、右である。
肌のつやがなく目の周りのしわが目立つ。
この研究では、喫煙者が老けて見える確率が57%だったという。
ちなみに、筆者の周囲の友人10名に比べてもらったら正解率は90%であった。

それでは第2問。
両者とも喫煙歴があるが、片方は17年長く吸っている。
喫煙歴の長いのは、どちらだろう?
もう一度、比べていただきたい

(図4)
photo4

正解は左である。
やはり肌のハリが違うことがわかる。
眼の下のたるみや口唇周囲のしわが目立つ。
喫煙歴の長い方は、老けて見える確率が63%だったという。
これも友人に比較してもらうと正解率は80%であった。

こうしてじっくり観察すると、喫煙により老化が進むことが良くわかる。
禁煙の指導には、これらの画像を見せクイズ形式で行うと、成功率が高まるかもしれぬ。

(注1)BBC NEWS:Women unaware of smoking risks  (27 September, 2001)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/1566191.stm
(注2)NYDailyNews.com:Smokers’ skin may age faster than non-smokers’, study of twins finds (October 30, 2013)
http://www.nydailynews.com/life-style/health/photos-twin-study-shows-smokers-age-faster-article-1.1501691

 前 岡山大学病院 小児歯科 講師
 モンゴル健康科学大学(旧:モンゴル医科大学) 客員教授
 歯のふしぎ博物館 館長(Web博物館)
 岡崎 好秀
 ⇒ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/