2010年11月01日
指しゃぶりについて長々述べてきた。
さて、我々にとってありがたい指しゃぶりもある。
例えば、乳幼児歯科健診の場で、同時に数組の母子に保健指導をする時。
子どもに気を取られ耳を傾けてくれない保護者がいる。
子どもが泣くので、そちらに気をとられる。
あるいは、子どもがじっとできず、走り廻るので気になるケースである。
逆に、よく聞いてくれる保護者。
その一つに、子どもが指しゃぶりをしているケースがある。
子どもがおとなしいので、話が楽である。
指しゃぶりには、子どもを内的世界に引き込む力があることがわかる。
一方、走り廻っている子ども達。
きっと指しゃぶりを必要としない外交的な性格なのだろう。
そう言えば、指しゃぶりにまつわる研究で興味深いものを思い出した。
しかし、それを話す前に次のことを行っていただきたい。
まず、口を閉じて唾をためる。
そして、たまった唾を眉につけて欲しい。
そう!真偽の程は定かではない、“眉唾ネタ”なのだ。
これは、以前ある小児科医から聞いたものである。
さらにその小児科医も、先輩の小児科医からのまた聞きだと言う。
フランス語の論文であるから、自分も読めないとのこと。
内容は、「指しゃぶりをしている子としていない子が、将来どのような職業についたか?」というものである。
結論を先に述べると、「指しゃぶりをしている子ども達は、ブルーカラーになり、していない子ども達は、ホワイトカラーになる傾向があった。」とのことだ。
聞いた途端、「面白い!」と思った。
“ブルーカラー”は、製造業。
つまり“匠の世界”なのだろう。
“匠の技”を追求するためには、常に自分を磨かなくてはなるまい。
そのためには、内的世界に入ることが必要だ。
一方、ホワイトカラーと言えば“営業職”。
売り上げを増やすには、社会に向かってアピールする必要がある。
そのためには外交的であることが必要だ。
子どもの頃から、指しゃぶりをしている暇などないのだろう。
指しゃぶりは、生まれながらの性格も影響していることがわかる。
>>岡崎先生のホームペ-ジ
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