2017年07月03日
暑い季節になると冷たい飲み物が欲しくなる。
この季節。
一度、子どもに甘いジュースの味を教えると「もっと欲しい!」と言って困らせる。
量が多いとむし歯につながる。
何か良い方法はないだろうか?
さて児童心理学者のジャン・ピアジェは、思考の発達を4つの段階に分けた。
そして前操作期の直観的思考の時期(4~6・7歳)に面白いことに気がついた。
この時期の子どもは、二つの同じコップに同じ量の液体が入っていれば、同じ量だと分かる。
しかし、片方を細いコップに移し替えると、液体が高くなり量が増えたと思ってしまう。
目立った変化に心が奪われてしまうのである。
形は変わっても量は変わらないという
“保存の概念”が十分確立していないことがわかる。
そこで、実際に実験を行った。
まず、ジュースをコップA(細長い)とコップB(幅の広い)に同じ量を入れる。
幼稚園児に選ばせるとAのコップを選んだ。
細長いコップで与えると、子どもは量が少なくても満足することがわかる。
せっかくなので、この話を応用した実験をした。
さてあなたは、コップAとコップCのジュースのどちらを選ぶだろう?
多くの方が、コップCの方を選ぶのではないか。
しかし…である。
コップCは、コップDに氷を加えたものなのである。
しかもコップDには、コップAの半分のジュースしか入れていないのだ。
そういえば、喫茶店や居酒屋でジュースや酎ハイを注文した時、
氷がたくさん入っていることがある。
あれも同じ手法であることがわかる。
しかし話に夢中になると、氷が溶けるからあまり気がつかない。
大人でさえ、氷で誤魔化されるのである。
暑い日、氷のたくさん入ったジュースにすると、
清涼感のみならず満足感も与えることができるのだ。
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
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