MAIL MAGAZINE メールマガジン

歯科医から見た学校給食 その【6】学校給食会のホームページ

2015年02月13日

以前に紹介した二つの学校給食。

(図1)
okazaki_20150216_01

なぜ、これだけの差があるのだろうか?

単に食材費の違いなのか?

それとも他にも原因があるのか?

元来、給食の食材費は保護者が負担するものと決められている。

これが学校に支払う給食費である。

一食あたり約250円前後。
小学校高学年では約4600円/月の負担となる。

だから、給食費未納の問題は、食材費に跳ね返る。

さて、その他の人件費・光熱費・施設整備の費用は、自治体(区市町村)の負担である。

従って、給食費の徴収で購入した食材を“おいしく”・“楽しく”提供するのは、自治体の役割だ。

冒頭の二つの給食には、自治体の姿勢が現れていると言える。

それでは読者の地域の学校給食は、どうだろう?

子ども達は、どんなものを食べているのだろうか?

ここで自治体の姿勢を評価する“ものさし”を紹介したい。

まず居住している“地域名(区市町村)”と“学校給食”をパソコンで検索して欲しい。

簡単に“○△学校給食会”のホームページに行きあたる。

ここで、少し遊んでみよう。

まず“京都府・学校給食”で検索し“京都府学校給食会”のホームページを開けてみる。

トップページには、“こんだてのご紹介”とあり、“万願寺とうがらしのみそ炒め”や“卒業お祝い給食 松花堂弁当”とある。

okazaki_20150216_02
図2:出典元 公益財団法人 京都府学校給食会 HPより
詳細はこちら⇒ http://www.kyo-gk.com/

子どもが京都の小学校を卒業していたら、このお祝い給食を食べたことがわかる。

次に“箕面市・学校給食”で検索し“今日の給食”を開いてみた。

オ~ッ! 今日だけでなく、この1週間の給食も把握できる。
okazaki_20150216_03
図3:出典元 大阪府箕面市 HP「今日の給食」より
詳細はこちら⇒ http://blog.goo.ne.jp/minohpakupaku

しかも、コメントつきだ。

これを見ると顔がほころんでしまう。

ホームページの向こう側に、栄養教諭の顔が見える。

さらに“(大分県)佐伯小学校・学校給食”で検索した。

今度は1か月単位で、手の込んだ給食が並んでいる。
okazaki_20150216_04
図4:出典元 佐伯市立佐伯小学校 HP「健康・体力づくり」より
詳細はこちら⇒ http://syou.oita-ed.jp/saiki/saiki/physical/post-251.html

自信をもって提供しているからこそ、ホームページにもアップできるのだろう。

きっと関係者は、誇りを持って給食を作っているに違いない。

ホームページにアップするのは、各学校でもできることなのだ。

最後に“足立区・学校給食”で検索した。

まずタイトルが“足立区は おいしい給食!”
okazaki_20150216_05
図5:出典元 足立区 HP「おいしい給食」より
詳細はこちら⇒ http://www.city.adachi.tokyo.jp/gakumu/k-kyoiku/kyoiku/kyushoku.html

さすが“日本一おいしい給食を目指す”と豪語しているだけのことはある。

区内の小中学生の90%以上が、学校給食を楽しみにしていると答えていると言う。

現在“東京・足立区の給食室” (著 足立区「おいしい給食」製作委員会)が出版され、かなりの評判らしい。

ホームページにも“おいしい給食レシピ集”のオンパレードだ。
okazaki_20150216_06
図6:出典元 足立区 HP「おいしい給食レシピ集」より
詳細はこちら⇒ http://www.city.adachi.tokyo.jp/gakumu/k-kyoiku/kyoiku/kyushoku-recipe.html

どれも栄養のバランスがとれおいしいそうである。

どこかの学校給食関係者にも見て欲しいものだ。

さらに面白いのが、区役所のレストランで給食が食べられる。

1日限定30食なので、すぐ売り切れるらしい。
個人の方のブログでも紹介されているので、興味ある方は以下よりご覧ください。

詳細はこちら⇒ http://redcomet.blog.jp/archives/52328483.html
※個人の方が運営されているリンクフリーのページとなります。

このような活動に対し住民は、自治体を誇りに思うだろう。

それは、“住みたくなる街づくり”にもつながる。

どうやら給食のレベルは、学校給食会のホームページで把握できそうだ。

ここで一つ提案がある。

学校給食を毎日ホームページにアップするよう、お願いしてはどうだろう。

カメラ一つあれば簡単にできることだ。

今回紹介したような取り組みは、全国各地にある。

他の地域で行っているのに、出来ないはずがない。

そんなホームページが増えれば、お互いに競争し学校給食の向上につながる。

それがひいては、子ども達の健康にもつながるのだ。

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
⇒ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/