2010年07月20日
1歳6か月児や3歳児などの乳幼児歯科健診では、術者と保護者が向かい合い座位(Knee to Kneeの姿勢)で行うのが一般的である。
口腔内が見えやすいし、子どもの体動を抑制することもできる。
しかし、この姿勢。
乳幼児歯科健診に限ったものだけではなく、診療室でも応用できる。
泣きそうな低年齢児を、無理にチェアー上にあげる必要はない。
これで保健指導や簡単な薬物塗布を行う。
ところで乳幼児の泣きは、短時間で終わらせたいものである。
いつもでも泣き続けると、ストレスもかかるし、他の患者さんに迷惑もなる。
さて筆者が新入局のころ、先輩の先生と乳幼児歯科健診の場で、どちらが泣かせないか競争をしていた。
そのコツを紹介する。
まず、歯ブラシで歯を磨きながら健診を行う。
ここで、子どもが泣きそうになったとする。
しかし、急には泣けない。
泣くに至る呼吸があるのだ。
それは・・・。
ハア~!(1回目)、
ハア~!(2回目)、
ハア~!(3回目)、
ワア~ン!!!
・・と短い吸気で肺いっぱいに空気を充満させ、3回目の吸気の後で爆発する。
こうして大泣きに至る。
一度、泣かせてしまうと、落ち着くまで待たなければならない。
これは時間のロスであるし、この状態で保護者に話をしても耳に入らないだろう。
そこで・・・。
ハア~!ハア~!と2回目の吸気で起こすとどうだろう。
まるで風船の空気が抜けるように肺がしぼみ、本格的な泣きには至らない。
そしてこの間に、口腔内の状況の説明や保健指導を行う。
この間に呼吸が安定したら、また寝かせ続きを行う。
こうして,大泣きを抑制する。
ちょっとしたコツで、低年齢児の泣きも減らすことができる。
注:対面座位(Knee to Kneeの姿勢)でのコツ
1:保護者と子どもが向かい合い、股を広げて寝かせる。
2:保護者の肘で、子どもの大腿部を押さえる。
3:保護者は、子どもとお腹の上で手をつなぐ。(子どもの手が、術者の手の動きを妨げる事がない)
4:術者は左手で子どもの顎を軽く触る。(子どもは、腹筋を使って起き上がることができない。)
>>岡崎先生のホームペ-ジ
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/