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置き換え言葉の利用

2009年06月15日

抽象的概念を具体的概念に置き換えるには、“例え話”を利用すればよい。

今回から、例え話について例をあげて述べる。

さて、“歯垢”を理解できるようになったのはいつ頃だろう?

小学生のときに理解できただろうか?

抽象的概念で歯垢を説明すると“ストレプトコッカス・ミュータンスが蔗糖を利用して、不溶性のグルカンを作り歯に付着して・・・。”となる。

これでは専門家でなければわからない。

これを具体的概念に置き換えると以下のようになる。

「○○君は、ゴハンを食べたらウンチやオシッコをするだろう。

口の中にいるむし歯菌は、○○君が食べた砂糖を、今度は口の中で食べてウンチやオシッコをする。

このウンチがネバネバして歯にくっつき、オシッコである酸が歯を溶かし、むし歯ができる。」

いかがだろう。

このほうが断然わかりやすい。

小学校1年生に話をすると、次の年には「それ覚えている!むし歯菌のウンチでしょう!」という言葉が返ってくる。

具体的で“わかりやすい言葉”が、いかに重要かわかる。

でも中学生に“むし歯菌のウンチ”という言葉は、プライドを傷つけ使えない。

その場合には、「△△君は、中学生だから歯垢についてはよく知っていると思うが・・・。小学生向けには、次のように言うとわかりやすい。」と言いながら先ほどのフレーズを使います。

このように言うと、プライドを傷つけることはない。

直接話してはいけないことは、第3者を例にして話すと良いことがわかる。

キシリトールによる齲蝕予防の効果についても、ミュータンス菌が砂糖を食べることを先に伝えていたら簡単だ。

「むし歯菌は、砂糖を食べてウンチやオシッコをするが、キシリトールを食べたら下痢をする。下痢ばかり続くと、ミュータンス菌が弱って死んでしまう。
だからむし歯予防の効果がある。」と伝えれば誰もが納得する。

キシリトールの齲蝕予防の機序を知らなくても、わかりやすく説明できるのだ。

 

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