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口腔内の汚れとコップの水の汚れ その1

2008年08月18日

診療室では歯磨き指導の際、歯垢染色液を利用して汚れのチェックを行う。
しかし、家庭ではできない。
そこで染色液の代わりになる方法を紹介する。

まず、透明コップに水を1/3程度入れる。
そして歯磨き剤なしで、コップの水で歯ブラシを洗いながら歯を磨く。
こうすれば水が濁ってくる。
あまり水が濁るようであれば、捨ててまた新しい水を入れる。
これを繰り返し、濁らなくなったらきれいに磨けたと思えばよい。
そう!歯の汚れが、水の汚れに反映されるのだ。
家庭でも出来る簡単な方法である。

 

(図1)
コップの水の汚れ

 
是非、試していただきたい。

さてこれは、仕上げ磨きにも応用できる。
保護者が磨いた後、水を子どもに見せる。
そして「○○ちゃんのお口はこれだけ汚れていたのよ…。ばっちいね…。」
などと繰り返し言っておけば、保護者が磨いてくれる理由が理解できる。
これがわかれば、早くからすすんで磨く子どもになるだろう。
ところで、この濁った水を汚いと理解できるのは何歳くらいだろう?
そんなことを調べてみた。

 

(図2)
年齢別コップの水の汚れの認知

 

まず子どもの歯を磨き、濁った水を見せ口に近づける。
そうすると2歳前半の子ども達は、なんと86%もが飲もうとした。
まだこの年齢では、濁った水が汚いことがわからないのだ。(不認知群)これが2歳後半では44%に減り、顔をそむけるなど態度で示すものが20%、“イヤ!”などの言葉で拒否する者が36%となる。
そして3歳前半以降、態度や言葉で拒否する者がほとんどとなる。
こんなことからおよそ3歳になったら、汚いことがわかるのだ。
濁った水を見せるだけで、子どもの発達レベルをうかがい知ることができる。

 

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