2008年09月01日
前回、口腔内の汚れをコップの水に投影する方法について述べた。
この方法は、診療室での歯みがき指導でも応用できる。
いくら口をすっぱくして言っても磨いてこない子に対しての例を紹介する。
診療室入室時:
術 者「今日は、歯磨きだけにして終わろうか。」
子ども「ヤッタ~!!」
ここで透明コップを用いて歯みがきをさせる。
(但し、水を代えないので、水は濁る。)
水が濁った時点で:
術 者「今日は この水を飲んだら終わりにしょう!!」
子ども「エッー!飲めない!」
術 者「どうして水が飲めないの?」
子ども「汚いから…。」
術 者「なに!飲めない…。先ほどまで口にあったものじゃないか…。」
子ども「飲めん!」
術 者「早く飲んでくれないと 次の患者さんが待っているから…。」と言って急がせる。
仕方がないので口元にコップを持っていくと・・:
術 者「でも、その水は汚れているから、おなかが痛くなるかもしれない」と独り言。
子ども:ますます飲めなくなる。
術 者「そういえば!昨日来た子は、水が飲めなかったから、ここで泊まっていったんだ。」
子どもが泣きそうになる:
ここで泣かせたらダメ! 間髪を入れず…
術 者「わかった!今日だけは特別許してあげる。今度きた時はもし水が濁っていたら、飲むと約束しょう!このことは、カルテに書いておくから…」
子ども:ホッ!と安堵のため息。
術 者:声を出しながら「今度来た時に、もし濁っていたら、水を飲みます。もし飲めなかったら、泊っていきます。」とカルテに書き、サインをさせる。
以来この子は、きれいに磨いて来るようになりました。
こんな彼も、立派な社会人になりました。
今でも自分の健康保険証を持って、時々小児歯科を受診しています。
※念のために:この方法は、いくら言っても磨かない子に使うバージョンで、神経質な子に対しては禁忌であることを申し添えておきます。
>>岡崎先生のホームペ-ジ
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