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モンゴルにおける小児う蝕と歯学教育 その【6】

2014年07月03日

モンゴルの小児う蝕を減らすには、子ども達への健康教育も必要だ。

そこで筆者が某雑誌で連載していたマンガをモンゴル語に翻訳し印刷した。
(図1)
図1

もちろん訳は、モンゴルの留学生にお願いした。

ここでマンガの大まかなストリーを紹介する。

夕食後、歯を磨かずに眠ってしまった小学生のケンちゃん。

夢の中に総義歯の高齢者が登場する。
(図2)
図2

それは、タイムマシンでやってきた60年後のケンちゃんであった。

「歯を磨かないから、ワシは歯がなくなったのだ!」と説教を始める。

「科学が発達した未来でも、歯だけはどうしようもないのだ」と言う。

それをきっけかに、さまざまな歯の話題が登場する。
(図3)
図3

このマンガを2,000冊印刷してコンテナでモンゴルへ送った。

モンゴル中の歯科医院や小・中学校へ寄贈するためだ。
(図4)
図4

長く使ってもらうためにもハードカバーの本にした。

さて、印刷したのは良いが、どのようにして広いモンゴルに配布するか?

これは大問題だ。
(図5)
図5

郵送すればよいか?

でも郵便事情は良くはない。

しかも住所さえわからない。

郵送料もばかにならないだろう。

では誰かにお願いするか?

でもそれでは、いつ届くかわからない。

本当に届けてくれるかどうかもわからないのだ。

また届いたとしても捨てられる可能性もある。

そこで考えたあげく、良い方法を思いついた。

大学の研修医・歯科学生にお願いするのだ。

まず大学での講義で研修医・歯科学生には二冊ずつ本を渡す。

一冊は、全員にプレゼント。

自分で楽しんだり、開業すれば待合室に置けばよい。

もう一冊は、彼らが帰郷した時に母校の小・中学校に持って行ってもらう。

何せモンゴル全土から学生が来ているはずだ。

卒業生だと言えば、学校の先生も喜ぶことだろう。

そして校内の目に付くところに置いてもらえばよい。

こうすれば学生も教師も子ども達も喜ぶ。

まさにWin-Winの状態となる。

講義では「この本を持って行くことで、母校の後輩がう蝕で困ることが減る」
と言う。

学生たちは、また笑顔になる。
(図6)
図6

 

注:このマンガは、筆者のHpにあります。
ダウンロードして診療室などでご自由にご利用ください。
⇒ http://okazaki8020.sakura.ne.jp/linkmenu.html