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ビールジョッキには11ミリの“カマボコ”がよく似合う

2007年04月02日

テレビ番組"あるある大辞典2”の捏造が社会問題となっている。さて先日、このライバル番組の名物ディレクターとお会いした。この番組、約13年にわたり高視聴率を稼いでいる。一回の放映のために、なんと3ヶ月の取材期間を設けているそうだ。どのようにして、視聴者を飽きさせない番組作りをしているか興味ある。面白くなければ視聴率が低下する。・・かと言って、特定の食品をセンセーショナルに扱うと、売り切れ騒ぎになりかねない。過剰な演出は、誤解を招き信用を損なう。そこでこの番組。ふつうの食物をいかにおいしく食べるかを追求している。例えば“カマボコ”の特集では、視聴率はかせげないだろう。ここがディレクターの腕の見せ所・・・番組構成を考える。

さて某県のカマボコ産地での話。都会人が切った、カマボコを一目見て「これがでたら箸でどける!」と言い切る人がいる。また地元の主婦も「こんなの出したら叱られる!」と言う。どうやらこの差は、厚みにあるらしい。横浜で100人に、カマボコを切ってもらったところ平均は9.2ミリ。ところが産地で切ってもらうと11.4ミリ。産地では2ミリ厚く切っている。さて、どうしてだろうか?

そこで大実験。カマボコを7ミリから15ミリの厚さに切り人気投票をした。その結果、11ミリが圧勝!カマボコのプリプリ感が最高となるのが、この厚さなのだ。そこで、さらなる実験。カマボコをさまざまな厚さで切り、咀嚼筋の活動量を調べた。5ミリから10ミリまで運動量が変わらなかったが、11ミリから急上昇。そして12ミリ以上では、また低下。どうやら11ミリのカマボコが、いちばん歯ごたえがあるようだ。さらに脳波までを調べたら、アルファ波が良く出たとのこと。11ミリのカマボコを食べることで、恍惚状態に入ることができる。

さてこの話、誰かに言いたくなるまいか?ジョッキを片手に11ミリのカマボコをつまみたくなるまいか?でも歯ごたえは、自分の歯があるからこそ感じることができる。そう考えれば、この話。つまるところ歯の話につながる。歯にまつわる広報活動も、見習うべき点がたくさんあるようだ。

参考:カマボコはなぜ11ミリで切るとうまいのか?
北折 一著(サンマーク出版)
 
 
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