2017年04月03日
学校や地域から”歯や口の健康”について話を依頼されても、”話をするのは苦手だから…”と思われている方。
“心配ご無用”である。
そもそも、話が苦手という方は、学生時代勉強ができた証なのだ。
優秀な学生は、講義内容がスーッと頭に入るので成績が良い。
しかし、この長所は欠点にもなる。
自分が理解できるから、ついつい誰もができると思って話をしてしまう。
でも残念ながら、一般の方々には通じない。
ここに大きな落とし穴がある。
その点、筆者はなんと勉強のできなかったことか…。
授業を受けてもわからないことばかりであった。
しかし、周囲の同級生は理解しノートをとっていた。
だからこそ筆者が、話す立場になった時、
「どの様に話をすれば、よくわかってもらえるだろう?」
「どの様に展開すれば、聞いてもらえるだろう?」
などについて考え続けてきた。
これが、今回の大きなテーマである。
さて筆者は、これまで多くの学校で子ども達に話をしてきた。
大人は、話がわからなくても、わかったような顔をして聞いている。
しかし、子ども達は違う。
話がつまらないと落ち着きがなくなり、教室がザワザワし始める。
そう言えば、今テレビ番組で大活躍の池上 彰氏の言葉。
「私は、11年間NHKで週刊子どもニュースを担当してきました。そこで、子ども達にわかりやすい話を心掛けてきたことが、大人にもわかりやすい。これがブレイクしている理由です。」
なるほど!
いかに”わかりやすい話”が重要かわかる。
さて、これまで受けた講演会で
“面白かった話”
“期待はずれだった話”
“睡魔に勝てなかった話”
もあった。
そこで、これらの特徴を整理してみよう。
まず、講演者の話し方や展開の問題があげられる。
最初から硬い話が続いたり、単調であったり、
わかりにくかったり、図表が多かったり…、
それでも有益であれば、まだ聞く気になる。
しかしそうでなければ、興味が湧かず眠くなってしまう。
次に、内容についてはどうだろう。
“上からの押しつけ”
“結果のみの羅列”
“「○○しましょう」のあるべき論”
“自分とは関係のない話”など…。
これらは”聞きたくない話”である。
そう言えば、学校関係でも
「歯磨きしましょう」、「お砂糖は控えましょう」など
「○○しましょう」という言葉を聞く。
NHKテレビ 「ためしてガッテン」元担当ディレクターの北折 一氏は、
これを「魔性の攻撃」と揶揄しておられる。
それでは、”聞きたくなる”のはどんな話だろう?
まず、
“自分に関係した話”
“自分に関係しそうな話”
“具体的な体験談”
などがあげられる。
そう!
地域や学校では、”歯や口の健康”についての”聞きたくなる話”が大切なのだ。
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
⇒ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/