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なるほど ザ保健指導&健康教育【1】地域で話をするということ

2017年03月03日

唐突であるが、学校や地域で“歯や口の健康”について講演されたことがあるだろうか?

学校歯科医であれば児童や保護者に、老健施設や病院などは職員を対象に話をする。

このような機会は、これからますます増えてくるだろう。

かつては、依頼を受けても資料や画像を作るのがたいへんであった。

しかし現在、パソコンが普及しインターネットから画像をダウンロードし、パワーポイントに貼り付け手軽に作ることができる。

さて筆者の周りを見渡すと、地域に出かける機会の多い先生ほど、診療室の患者さんが多い。

どうしてだろう?

これまでの歯科医療は、患者さんが来院するのを待つという“待ちの医療”が中心であった。

多くの患者さんにとって歯科医院は、敷居の高い場所の一つである。

初診では、“痛いのではないか?”など様々な不安を抱えながら来院する。

だから、“自分の診療姿勢”を広げるためにも“出かける医療”が重要だ。

“乳幼児歯科健診では、ていねいに診て話をしてくれた”

“学校のPTAや参観日にわかりやすく話してくれた”

その際に「自分は痛くない治療を目指している。」などの言葉を聞くと、安心して受診することができる。

いずれにせよ、地域で話をすることは、開かれた歯科医院の第1歩となる。

 

(図1)

 

でも、学校で話をしたけれど、児童が落ち着いて聞いてくれなかった…

何の話をすればよいかわからない…

住民が喜ぶ面白い話を知らない…

どのように話をすればよいかわからない…

思うように話せなかった…

などの経験をした読者も多いだろう。

残念ながら、歯科医師は地域や教育現場での話し方についての教育を受けていない。

これは、今後の歯学教育の大きな課題である。

そこで次回より、診療室のみならず、地域や学校現場での話法やネタについて述べる。

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/