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異性化糖(ブドウ糖・果糖液糖)【2】アイスコーヒーとガムシロップ

2016年09月20日

二糖類である蔗糖(砂糖)は、単糖類のブドウ糖と果糖に分解される。

一方、デンプンから酵素の力を借りて作られる異性化糖は、“ブドウ糖”と“果糖”が液体の状態で存在する。

さて、砂糖の甘みを100とすると、ブドウ糖は74.3、果糖は173である。

甘い順番に並べると、果糖、砂糖、ブドウ糖となる。

従って果糖の量が甘くなる。

ちなみに

1「ブドウ糖果糖液糖」:果糖が50未満のもの。
2「果糖ブドウ糖液糖」:果糖が50%以上90%未満のもの。
3「高果糖液糖」:果糖が90%以上のもの。

と定義されている。
(図1)
スライド1

さて、最近コンビニコーヒーの人気が高い。

カウンターでカップを受け取り、コーヒーメーカーで抽出する。
(図2)
スライド2

ホットとアイスのボタンを押すだけで、手軽に本格的なコーヒーを味わえる。

さて、ここで不思議なことがある。

通常、ホットコーヒーには砂糖を入れる。

しかし、アイスコーヒーには、ガムシロップを使う。

何故だろう?

単に、砂糖がアイスコーヒーに溶けにくいからなのか?

・・・だとすれば、ホットコーヒーにガムシロップを入れてもおかしくないはずだ。
(図3)
スライド3

実は、このヒミツは異性化糖にある。

果糖は、40℃以下では砂糖より甘く感じる。

しかし高温にすると砂糖の60%の甘さになってしまう。

果糖は温度が低ければ低いほど甘く感じる。
(図4)
スライド4

だから氷菓やシュークリームなど、冷やして食べるお菓子にも使われている。

異性化糖の甘さは、温度によって変化するのだ。

さて、ガムシロップは、果糖ブドウ糖液糖からなる。

だから、アイスコーヒーにはガムシロップを入れる。

冷たい清涼飲料水に異性化糖が使われるのもこのためだ。

逆に、ホットコーヒーに入れると甘さが減じる。

だから砂糖を入れるのだ。

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/