2014年11月27日
最近、全国の小学校で子ども達や教職員を対象に話す機会が増えた。
午前中に話が終わると、たいていの学校では給食を勧められる。
よほどのことがない限り、いただくことにしている。
子ども達が、どのような給食を食べているのか興味があるからだ。
ここの給食は素晴らしかった!
アマゴが丸一匹出てきたのだ。
子ども達は、それを頭からかじりついて食べている。
野菜はスティック状に切ってある。
しかも、汁物は具だくさん!
まさに地産池消の食材ばかりだ。
教室は、子ども達の笑顔で溢れかえる。
同時に、歯科医師としても大歓迎!
実に、良く噛んで食べるように工夫されている。
きっと調理師は、誇りを持って仕事をされているに違いない。
そう言えば先日、ある小学校の校長先生と話をしていたら、こんなことを言われた。
「夏休みが終わると、痩せて登校してくる子ども達がいます。
夏休み中は、家庭でろくなものを食べさせて貰っていないのです。」
そのような子ども達は、学校給食が最後の砦となっているのだ。
一瞬、言葉を失った。
食材は小さく切ってあり、噛む必要はほとんどない。
水分が多いので、多くの子ども達は流し込んで食べている。
まるで、高齢者施設での食事のようだ。
もちろんこれは、たまたま出たものかもしれない。
給食の現場からの意見もある。
硬い食材を入れると残飯が増加すると言うのだ。
それでは学校給食は、誰に合わせて調理をしているのだろう?
“教育現場では、誰に合わせて教育をしているの?”と苦言を呈したくなる。
栄養学的には、両者とも充足されているのだろう。
しかし、どちらを食べている子ども達がより健康になるだろう?
学校給食法では、“子どもの健康のために実施されなければならない”と記されているではないか。
どうやら子ども達のう蝕が二極化しているように、学校給食も二極化しているらしい。
続く
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
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