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類人猿は何故言葉が出ないのか? その2:ゴリラのココ

2010年12月20日

“ココ”の愛称を持つゴリラがカリフォルニアにいる。

 

(図1)
“ココ”の愛称を持つゴリラ

 

年齢は39歳。

本名は、“ハナビコ”。

“花火の子”を意味し、アメリカの独立記念日と同じ日が誕生日。

記念日には、全米各地で花火を打ち上げられることに由来し名づけられた。

ココは、全米50万人の聴覚障害者が利用する手話言語でコミュニケーションをとることで有名である。

親代わりとして育てて来たパターソン博士が根気強く教えたものだ。

ゴリラに手話を教えたのは、世界最初の試みであった。

ココのホームページには、たくさんの手話言語が紹介されている。

例えば歯磨きの他にも、鼻・良い・赤ちゃん・リンゴ・鳥・欲しい・バカ・上などである。

 

(図2・3)
ゴリラの歯磨き ゴリラのジェスチャー

 

さらにこの言語は、腕や体や顔の表情も利用する。

そのため、自分の気持ちまで表現することができると言う。

「あなたは、動物、それとも人間?」と聞くと、「ステキナ・ドウブツ・ゴリラ」と答える。

「お誕生日には、なにをするの?」と聞くと「タベル・ノム・トシトル」と答えるのである。

さて、このゴリラ。

歯科界でも一躍有名になる事件があった。

2004年のある日、むし歯で歯が痛むことを訴えたのだ。

 

(図4)
ゴリラの歯

 

部位は、上顎左側臼歯部。

そこで1から10までの痛みのスケールを見せたところ、もっとも痛い9や10を指差したのである。

 

(図5)
指さすゴリラ

 

そこで、スタンフォード大学の医師、歯科医師、獣医師などからなる12名の医療チームが往診に駆けつけた。

そして全身のチェックに引き続き、むし歯を1本抜歯した。

抜歯直後には軟らかい物を食べていたが、以後食事を楽しめるようになったと言う。

それ以来、ココは電動歯ブラシを利用し毎日歯磨きを行っている。

 

(図6)
歯磨きをするゴリラ

 

参考:ゴリラ財団
http://www.koko.org/index.php

 

>>岡崎先生のホームペ-ジ
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/