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ヒトはどこまで雑食なのか?

2010年06月07日

ヒトの歯は、2種類に分けられる。

前歯と臼歯である。

前歯は獲物を捕えるための歯であり、魚類や爬虫類でも存在する。

一方、臼歯は咀嚼するための歯であり、哺乳類において初めて獲得した。

さらに、臼歯も2種類に分けられる。

前臼歯(小臼歯)と後臼歯(大臼歯)である。

一般に、肉食動物は前臼歯が発達している。

鋭い歯で、骨まで噛み砕く。

後臼歯は使わないので退化傾向にある。

逆に草食動物は、草をすり潰すため咬合面が広く平らになる。

さてヒトは、鋭い肉食動物と平らな草食動物の歯を重ね持つ。

だから雑食動物である。

それではヒトは、どこまで雑食なのか?

生物の系統から考えてみたい。

さて生物は、大きく動物界、植物界、菌界の3つに分けられる。

まず動物界の脊椎動物。

これは魚類、両生類、爬虫類、哺乳類に代表される。

哺乳類ではウシやブタ、あるいは魚類のタイやヒラメは日常的に食べる。

鳥類ではニワトリが代表格である。

両生類といえば、食用カエルを食べる。

爬虫類では、スッポン料理が有名だ。

ワニは、高蛋白・低カロリーで鶏肉の歯ざわりに似ていると言う。

しゃぶしゃぶもあるし、串焼きもある。

またワニ料理は、キューバの名物料理である。

次に無脊椎動物。

まず節足動物の昆虫。

昆虫食はゲテモノ食いと思われるが、そもそも霊長類は昆虫食からスタートした。

長野県では、バッタやイナゴ、それにハチの子を食べる。

ハチの子と聞けば気持ち悪いが、ハチミツだって立派なハチである。

さらに海に住む甲殻類のエビやカニ。

それに軟体動物のタコやイカは、寿司ネタに欠かせない。

さらに、おの足類のシジミやアサリ。

これは味噌汁の具となるので重要だ。

次は、植物界。

種子植物では、キャベツやホウレンソウ。

これは葉を食べる。

ニンジンやゴボウ、ダイコンは根である。

ジャガイモ、タケノコ・セロリとくれば茎であり、バナナ、トマト、カボチャは実である。

さらにイネ、トウモロコシ、ギンナンは種である。

シダ植物では、ワラビにゼンマイ。

これは佃煮やお浸しになる。

緑藻類では青ノリ、褐藻類はコンブやワカメと続く。

最後に菌界。

まず高価なマツタケ。

それにシイタケやシメジもある。

これ位か・・・。

おっと!

酵母菌もあるではないか。

ビールの醸造には欠かせないし、パンを作るにも必要だ。

そう言えばチーズやヨーグルトの乳製品。

これは乳酸菌。

納豆も醤油も味噌も、酵母や麹(こうじ)や細菌を利用する。

発酵食品は、これらの力を利用して作り出す。

こりゃ雑食動物どころではない、まさにヒトは、生物界すべてを食べつくす“完食動物”だったのだ。

 

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