2009年05月07日
春は、教育現場から児童に話をして欲しいという依頼を受けることが増える。
ところで、実際に話をする時には、気をつけなければならないことがたくさんある。
子ども達が理解できているだろうと思って話をしても、そうでないことが多い。
例えば、ステファンのカーブ。
これは、ショ糖を摂取後の、歯垢中のpHの変化である。
摂取後、急激にpHが低下し歯が脱灰され始める。
その後、唾液の緩衝作用により徐々に中性に戻るというものである。
それでは、このカーブは何歳くらいで理解できるものなのだろうか?
子どもの頃を思い出して考えていただきたい。
小学校中学年くらい?
それとも高学年?
中学生になってから?
小学生では、リトマス試験紙の色変化を見て酸性とアルカリ性について習うだけである。
次に中学生は、酸の滴定。つまり酸の強さについて習う。
pHが登場するのは、高校に入ってからである。
筆者も小学生にステファンのカーブについて話をしたことがある。
あの時、いかにも理解したような顔をして聞いてくれていたが、本当はわかっていなかったのだ。
今でも、赤面する思いである。
それでは、どのようにすれば理解できるのだろう?
さて、「不特定多数を対象として話をする場合には、小学校3年生がわかるように話せばすべての人が理解できる。」という講演会の鉄則がある。
なぜ小学校3年生なのだろうか?
次回から、この点について説明しながら、理解しやすい話し方について述べようと思う。
>>岡崎先生のホームペ-ジ
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