2009年02月02日
ダーウイン医学という言葉がある。
これは別名、進化医学とも呼ばれ1990年代に提唱された新しい学問だ。
少し解説してみよう。
地球の誕生は46億年前。
最初の生命体は、38億年前に誕生した核を持たない原核細胞である。
その後、核を持つ真核細胞となり集合して多細胞生物への道を歩みだす。
これが魚類から両生類、爬虫類、そして哺乳類へと進化する。
すなわち我々の体内には、ヒトへの進化の歴史が隠されていることがわかる。
この学問は、病気を進化の観点から捉えていることがユニークなのである。
直接的には治療につながらないが、病気の本質を理解するためには大いに役立つ。
例えば、糖尿病になると易感染状態に陥る。
どうしてだろう?
そもそも感染しやすいことは、免疫力の低下を意味している。
言い換えれば、免疫力の中心である白血球の働きが悪くなる。
それでは、どうして血糖値が高いと働きが悪いのか?
そもそも白血球のエネルギー源は何だろう?
白血球は、細菌を食べて生きているわけではない。
血液中のブドウ糖をエネルギー源としているのだ。
それでは、糖尿病で血糖値が高いとどうなるか?
そう!白血球も腹いっぱいなので働きが鈍くなる。
我々も腹いっぱいだと、動きたくなくなるではないか。
だから免疫力が低下し感染しやすくなる。
こう考えると、素人にもわかりやすい。
そこで白血球に空腹感を与えることが免疫力の向上につながる。
そのためには、食事を節制するか、運動によりエネルギーを消費させ血糖値を低下させる。
これが病気の本質的な理解につながることがわかる。
こんな考え方は、いかがだろうか?
>>岡崎先生のホームペ-ジ
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/