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トリのクチバシの役割

2008年05月07日

今回は、トリの口について考えてみよう。
一般的に、昆虫を食べるトリは、舌が長くて薄く硬い。
一方、植物食のトリは、丸くて厚い。
それにトリのクチバシと舌の長さは、正比例する。
キツツキ(クマゲラ・アカゲラ)は、木にクチバシで穴をあけて、中にもぐっている昆虫を食べるからその舌は長く5cmもある。

 

(図1)
キツツキ(クマゲラ・アカゲラ)の舌

 

ところが、クチバシは、舌の約1/2の長さしかない。
長い舌をどのように格納しているのだろう?実は、頭骨の後ろから上部をぐるっと廻ってクチバシにまである長い舌骨に収まっており、状況に応じて舌を長くすることができるのだ。
しかも舌の先には、モリ状のギザギザがついており、昆虫を引っかけて穴から引きずり出して食べる。
トリにおいても、食性に応じて舌が変化することがわかる。
しかし変化するのは、舌ばかりではない。
クチバシも種類によって大きく異なるのだ。

 

(図2)
トリのクチバシを道具に例えると

 

まずは、キツツキ。
硬く鋭くとがったクチバシで、木の幹に穴をあけ、奥にひそんだ虫を、長い舌で捕まえる。巣穴を作るときも利用する。これは“ノミ”の役割をしている。

お次はペンギン。
ふちがナイフのように鋭いクチバシで、サカナをすばやくはさみつけて捕らえ、頭から丸飲みする。道具に例えると“ニッパ”の役割をしている。

今度はアヒル。
クチバシが広く食物をはさみやすいので、多くのものを口の中に入れ食べる。
ちょうど“火バサミ”のようだ。

さらにインコ。
強力なするどいクチバシで、硬い木の実も簡単に割り中身を食べる。
つまり“ペンチ”。

続けてサギ(ゴイ)。
細長く先端が尖がっているクチバシで、泳いでいるサカナをすばやく捕らえる。
またつつくこともある。これは“モリ”にあたる。

さらにフラミンゴ。
くちばしを水中に入れ、水と食物を一緒に入れ、クチバシのふちにあるフィルターの役目をする毛のような組織で、水を外に出し食べ物だけを残して食べる。
まさに“ザル”である。

最後にペリカン。
下のクチバシには、サカナをたくさん捕らえるために、伸び縮じみする薄い袋がある。まるで“バケツ”のようだ。

良い季節になってきた。
久しぶりに動物園を訪れて、さまざまな口を観察してはいかがだろう?

 

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