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インフルエンザ考【その14】簡易型鼻うがい

2018年09月17日

筆者は定期的にモンゴルで講義を行っている。

一昨日、帰国したばかりだが、今回はインフルエンザについて触れてきた。
モンゴルは、9月頃から翌年の3月まで流行するという。
寒冷な気候に加え乾燥地なので流行期間は長期に及ぶ。
歯科医師にとってインフルエンザの予防対策は重要である。
そこで、”鼻うがい”の有効性についても述べてきた。

さて、首都のウランバートルでは、冬季に大きな問題がある。
それは大気汚染の問題。
冬季は北京以上にひどい状態だという。
モンゴルは中央アジアの大草原のイメージがある。
(図1)

しかしウランバートルは山に囲まれた盆地であり、空気が停滞しやすい。
大気汚染は、車の排気ガスや火力発電所だけが原因ではない。
近年、”ゾド”と呼ばれる極端な寒さと大雪のため、遊牧民の馬や羊などの家畜が大量死している。
そこで困窮した遊牧民は、ウランバートル周辺に移り住む。
移動式のテントの”ゲル”では、ストーブで暖を取り煮炊きをする。
しかし石炭を買うお金もなければ、周りに森林もない。
暖を取るためには、プラスチックやゴムを燃やすしかないのだ。
これが大気汚染の原因となりPM2.5(微小粒子物質)の問題につながる。
(図2)

冬に訪れたが、異臭のため長期間滞在できるような状況ではない。
真剣に防塵マスクを手に入れたいと思った。

さて8月下旬、西日本豪雨災害で氾濫した河川敷を運転していた。
すると、茶色の空気が被災地の街を覆っていた。
この日の気温は35℃、台風により土砂の粉塵が空中に漂っていたのだ。
その粉塵は、被災者やボランティアの方々の体内に容赦なく侵入する。
ここでも、防塵マスクが必携である。

きっと、これらの地域でも”鼻うがい”が有効だろう。
現在、鼻うがいのキットが市販されている。
しかし、それらが手に入らなければどうだろう。
代替品はないだろうか?

そこで100円均一の店で利用できそうなものを探した。
(図3)

最初に目にしたのが、ペットボトル用のストローのアダプターであった。
まずペットボトルに、生理的食塩水を入れる。
(図4)

そして片方の鼻孔に当て洗浄してみた。
洗浄液は、上咽頭まで十分に達した。
(図5)

他にもドレッシングや手洗い石鹸用の容器を試してみた。
残念ながら、ノズルの穴の先が細く鼻孔にフィットしない。
そこで見つけたのが、シリコン製のイヤホーンパッドであった。
これをノズルの先につけると、十分使用可能だ。
(図6)

現在、地球では異常気象が続いている。
これからも、どこで大災害が起こるかもわからない。
インフルエンザや粉じん対策の支援情報として”簡易型鼻うがい”は有効であろう。

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/