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インフルエンザ考【その11】平成30年7月豪雨の被災地と呼吸器疾患

2018年08月06日

この度、平成30年7月豪雨による被災された皆様へ、心からお見舞い申し上げます。

1日も早く復旧されますよう、心よりお祈り申し上げます。

さて、被災地では、酷暑のため熱中症や脱水が大きな問題となっていた。
しかし、他にも大きな問題がある。
それは河川の氾濫後に起こる、乾燥した土砂の粉塵問題だ。
東北大震災の後もヘドロの粉塵で呼吸器疾患が増えた。
また、それが原因で亡くなった方もおられたという。

保健所に被災地での医療活動の状況を聞いたが、喉の痛みが多く抗生物質の投与が行われていた。
しかしこれは、対症療法であり原因療法ではない。
これからも、喉の痛みや咳などの呼吸器疾患は増えるだろう。

粉塵の吸い込みの防止は、まず”あいうべ体操”により口呼吸を防止することだ。


(図1)あいうべ体操は、今井一彰先生(みらいクリニック)が考案されたものである。

しかし、それですべて除去されるのではない。
筆者は昨年、アフリカのサバンナへ行った。
サファリカーで草原を走り回るのだが、鼻呼吸を意識しても、細かい砂塵が肺に入り込む。
おかげで 2か月間、咳が止まらなかった。
モンゴルと中国の国境に広がるゴビ砂漠でも同じ経験をした。
指先を硬く閉じて砂をすくっても、指の間からこぼれ落ちる。
かくも細かい砂なのだ。


(図2)

さて、鼻から吸い込んだ細菌や砂塵は、上咽頭で停滞しやすい。
ここは、風邪を引いた時に一番先に痛くなる部分だ。
細菌やウイルスがここで増殖し、喉の痛み・鼻水・咳などの症状が起こる。
インフルエンザの検体の採取の際、鼻から綿棒を挿入するのもこのためだ。
しかし、通常のうがいでは上咽頭まで届かない。


(図3)

この部分の洗浄は、耳鼻科医院での”鼻洗浄”や”鼻うがい”が有効だ。
実際、被災した友人が「浸水後、下水の臭いで病気になりそう」と言っていた。
ちょうど鼻うがいのキットがあったので差し上げた。

すると「塵や埃が鼻の奥につまり、頭がクラクラし何も考えられなかった。しかし鼻うがいをすると、驚くほどすっきりした」と言われた。

鼻うがいというと、鼻がしみるからと言われるかもしれぬ。
しかし、そうではない。
続く

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/