2018年01月15日
子どもの歯磨き動作は、年齢とともにどのように変化していくのだろう?
そこで保育所や小学校にお願いし、
約1000名の2歳~12歳児の歯を磨く様子を撮影した。
その結果、まず歯ブラシの持ち方は、
次のように大きく3つに分けることができる。
1:手のひら全体で持つ「にぎる」(Power Grasp)という持ち方。しかしこの持ち方では、細かい動きは不可能である
2:親指が分離して動く(拇指対向)ようになり「つかむ」(Precision Grasp)という持ち方
3:さらに人差し指から小指へと分離が進みながら、それぞれの指に力がつき「つまむ」(Pinch)(ペングリップ)という持ち方
このように歯磨きの際、発達とともに
1:にぎる
から
2:つかむ 3:つまむ
という動作に変化する。
続けて、幼児に柄が太い歯ブラシを与えた場合の歯みがき動作について順を追ってみてみよう。
2・3歳児は、まず下顎前歯の切端近くを磨こうとする。
そして慣れるに従い、
利き手(右手)と反対側の下顎臼歯部(左側)を磨こうとする。(2・3歳児)
*左右の分離運動が充分できず、反対側の手(左手)も動いてしまう(2・3歳児)
*反対側の手(左手)が動くので、その手を体幹につけて固定している(2・3歳児)
*歯ブラシの安定を得るため両手で磨こうとする(2・3歳児)
反対側(右)の臼歯を磨こうとするが、まだ手首を返すことが困難なため次の動作が見られる。
*顔の向きを変え歯みがきの安定を求める(2・3歳児)
*歯ブラシを反対側の手(左手)に持ち代え磨こうとする(2・3歳児)
またこの年齢では、上顎の臼歯を磨こうとするケースはほとんどない。
どうしてだろう?
続く
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
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