MAIL MAGAZINE メールマガジン

サルの世界でのむし歯の原因は? —むし歯の季節?—

2005年12月19日

最近、軟らかい食べ物が増加したことで、歯周病が増えたと言われている。
これは人間のみならず、サルの世界にも言えることだ。
歯ごたえのある自然のエサと加工されたエサを食べているサルでは、軟らかい加工されたエサを食べている方が、歯肉の状態が悪く、むし歯も約四十パーセント多いとする調査がある。
サルは歯を磨かないことからも両者の違いは、食物の差であることがわかる。
 
 
図1

 
 
図2

 
 
さて、野生のニホンザルは、主として木の葉や芽、果実、樹皮などを食べている。これら繊維質を多く含んだ硬いエサは、口の中の汚れを取り除き清潔にする働きがある。
また、よく噛むことで唾液の量が増え、歯の汚れも洗い流される。
まさに硬い食べ物は、天然の歯ブラシなのだ。

余談ではあるが、サルにスイカを与えると種・皮・実の、どの部分から食べるだろう?驚くことにサルは、種から食べ始めるそうだ。まるでヒトと反対ではないか。サルは、体のためになる食物を本能的に知っているのだ。

ところで、ある獣医師の話では動物園で飼育されているサルには、むし歯になりやすい季節があるそうだ。さてその季節とは、いったいいつだろう?
読者の方にも考えていただきたい。
さまざまな方に聞いてみた。

 

まず「春」という回答の理由を列挙してみよう。
1.暖かくなるので食欲が沸く。
2.草木が萌えてくる。
3.冬には食べ物がなかった。

「夏」という理由。
1.暑いため食欲が低下する。
2.水分ばかり摂る。

次に「秋」の理由。
1.冬に備えて食いだめをする。
2.実りの秋で、たくさんの食べ物がある。
3.“食欲の秋”。

「冬」と回答した理由。
1.冬眠するので唾液の量が減る。
2.口を動かさないので、歯が汚れやすい。

 

さまざまな回答があるものだ。
さて正解は、春と秋なのだ。気候が良いため、多数の行楽客が動物園を訪れる。
誰もが自分だけなら・・、少しだけなら・・と、甘いお菓子を与えてしまう。
これが歯が汚れる原因だ。親切心がむし歯を引き起こすことがわかる。

そう言えば、サルがむし歯になる理由。子どものむし歯の原因と同じではないか。

さて、このクイズを小学三年生に話してみた。
ほとんどの子ども達が、「春」と「秋」にむし歯が増える理由について納得した。しかし、これに納得できない子どもがいた。
その理由を聞いてみた。
「夏は、暑いからジュースやコーラーをたくさん飲むから!」と言う回答であった。
確かに清涼飲料水は、むし歯の原因となる。
また別の子が、「冬」だと言った。
その理由は、「冬は寒く外で遊ばないで、家でコタツに入ってファミコンをします。ゲームをしていると、つい何かを食べたくなってお菓子を食べてしまいます。」
なるほど!思わず納得してしまった。むし歯の原因には、さまざまな理由があるものだ。
さてあなたの回答は、どうだったろうか?