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乳歯の根管治療の勘どころ その3:抵抗力と回復力

2009年12月21日

目の前に、乳歯の慢性の根尖歯周組織炎があったとする。

通法通りリーマーで根管を拡大したら急性症状が現れた!

症状のないケースだったので、保護者に対する信頼関係を失ってしまった。

このようなケース、案外多い。

でも・・・・どうしてだろう?

今回も「子どもは大人の小型ではない。」の言葉から解決策を探ってみよう。

まず、“風邪”を例に考えてみる。

子どもは、風邪を引きやすい。

しかし、その回復は早い。

大人は引きにくいが、罹りが悪くこじらせることが多い。

これは、体の抵抗力と回復力を考えれば良くわかる。

子どもは、抵抗力は弱いが回復力は強い。

一方大人は、抵抗力はあるが回復力は弱い。

これは体の新陳代謝と密接に関係している。

この特徴を治療に活かす。

実は、乳歯の感染根管治療。

初回からリーマーなどで根尖を触ると、根管内の腐敗物を根尖に溢出させてしまう。

しかも、子どもは抵抗力が弱い。

だから、頬部の腫脹など急性症状の原因となる。

さてそれでは、これをどのようにして予防するか。

答えは簡単だ。

根管内の腐敗物を固定化する。

そこで前回と同様、FCの登場である。

初回は、軟化牙質を完全に除去後、FCの小綿球を髄床底におききっちりと仮封する。

これで固定させ、次回拡大するようにすればリスクは減る。

実は筆者。

新入局当時、乳歯の感染根管を始めたら、このようなケースに何度も出くわした。

そこで、いろいろな原因を考えた。

そこで思いついたのが、この方法である。

このおかげで30年近く、このような例に遭遇せずにすんでいる。

 

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