2008年12月01日
さて前回に紹介した、“さすが~!”に続く言葉がけを使われていますか?
今回も、泣かさないための言葉がけの続きを述べます。
“開いた質問”という言葉があります。
これは会話がどんどん広がるので、初診時や不安感を持っている場合に有効です。
例えば初診時では、これから何が起こるかわからないので子どもは不安です。
大人でも不安な時に、やさしい言葉をかけてもらったら、気持ちが楽になります。
これは、あらかじめ季節の話題を考えておくと便利です。
例えば、12月になれば、“クリスマスは、何を食べるのかな?”、“お正月は、どこかへ行くのかな?”などです。
開いた質問は、いろいろな回答を得ることができるので、相手の心を開くことができます。
心が開けば、口も開きます。
また、自由に発言させることで、積極性を引き出す効果があります。
続けて、よくあるケースの言葉がけです。
Aちゃんは、チェアに上がりましたが、踏ん切りがつかず寝てくれません。
説得するのですが、いつまでもグズグズしています。
さて、どのように言えば、コロッと寝てくれるでしょう?
そんな時は、この“言葉”です。
「それじゃ!今日は2本治す?それとも1本だけにしておく?」
こう言うと「1本だけにする…」と言いながらコロンと寝転んでくれます。
基本的に嫌なことを先に、後に楽な方を後に持ってきます。
是非、試してみてください。
ところで交換期に、抜歯をしたい乳歯があります。でも抜歯には、言葉に気をつける必要があります。それは小学校低学年の子どもは、“歯を抜く”という言葉を異常に怖がるからです。
“歯を抜く”という言葉で、パニックに陥いることがあります。この言葉は、子どもには禁忌です。
そこで、“歯をつまむ”という表現をしています。こういうと、子どもは平気で抜かしてくれます。
その他「“大人の歯が生えてきたい”と言っているから、子どもの歯にバイバイしようか!」などと言います。
また治療終了には、「今日治したところ、お母さんに見せてあげようね。
きっと上手にできたから褒めてもらえるよ。」と言います。
あらかじめ母親に、おおげさに褒めて欲しいと伝えておきます。
このような話をすることで、歯を治すことによる達成感を与えます。
もちろん“言葉がけ”は、子供を意のままに操ったり、あしらったりするためのものではありません。
術者やアシスタントの心から出てくる言葉であり、いわば「心と心をつなぐ。」ためのものです。
“言葉がけ”に台本はないのです。
>>岡崎先生のホームペ-ジ
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