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アドラー心理学のすすめ その6:キーワードは、“私は嬉しい”

2013年03月29日

最近、あなたの歯が、少し動きだし、どうも噛みにくい。
おまけに出血もする。
そこで歯科医院で歯石を取り、家でもていねいに歯を磨くようにしていた。
おかげで、動揺や出血が治まってきた。
(図1)

その歯科医院で、どちらの言葉を使われたら気持ちいいだろう?

A:「○○さんは、歯石を取られ、家でもていねに磨いておられます。だから、動揺や出血が治まり、きれいなピンク色の歯グキになりました。これはあなたが頑張られたからです。」

B:「○○さんは、歯石を取られ、家でもていねに磨いておられます。だから、動揺や出血が治まり、きれいなピンク色の歯グキになりました。だから私はとっても嬉しいです。」

誰もがBを選ぶだろう。
“この先生は、自分のことを、ここまで考えてくれていたのか・・・。なんて素晴らしい先生なのだろう!”
これを聞けば、きっとその先生のファンになり、他の歯科医院には行けまい。
(図2)

後者は、“私が思ったこと・感じたこと”を伝える“わたしメッセージ”を使っている。
そう言えば、英語でも「はじめまして!!」は、I am glad to see you!とかnice to meet you!を使う。
これも“わたしメッセージ”である。
でもどうして、英語ではこのような表現をするのか?民族や文化の差なのか?

さて、ヨーロッパでは、民族間の殺戮や征服の歴史が繰り返されてきた。
そのため“私はあなたの敵ではない。”と言うメッセージが重要なのだろう。
一方、わが国は海に囲まれた単一民族国家であり、異民族に征服された歴史がない。
同じ民族だから、“多分相手も同じことを考えているだろう”と思ってきた。
だから、“わたしメッセージ”を使う必要がなかったのだろう。
しかし、日本でも多様化が進んできた。
そのため、このような表現が必要になる時代に入ったのだろう。

わたしメッセージのキーワードは、“私は嬉しい”である。
この言葉、今日から多用してはいかがだろう。

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