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アドラー心理学のすすめ その5:心を動かす言葉の使い方

2013年03月15日

今回は、心を動かす言葉の使い方について述べる。

さてあなたの医院の受付では、診療の予約時にどのような表現をしているだろう?

(図1)

A:「次回の診療、来週の火曜日の10時に来て下さい。」
B:「次回の診療、来週の火曜日の10時に来ていただけると、ありがたいのですが・・・。」

さて、どちらが患者さんにとって心地よいだろう?
Aは事務的であるが、Bはていねいな感じがする。
両者は、どのようにちがうのだろう?

さてアドラー心理学には、
“あなたメッセージ(You message)”と
“わたしメッセージ(I message)”という言葉の使い方がある。
前者は、“あなたがしたこと”をそのまま伝えること。
後者は“私が思ったこと・感じたこと”を言葉にすることである。

Aは、患者さんが来るのだから“あなたメッセージ”である。
一方、Bは私が思うのだから“わたしメッセージ”と言える。

アドラーは、“あなたメッセージ”には縦の関係、“わたしメッセージ”には横の関係になると言う。
“あなたメッセージ”を使う限り、対等に話しているつもりでも患者さんは上から言われているように感じてしまう。

ところが“わたしメッセージ”では、横の関係になると言うのだ。

(図2)

Bの場合、「お待ちしております。」でも良い。
このように言われると、用事があるけれど無理をしても行こうか・・・・という気になる。

もう一つ例をあげてみよう。

今、中程度の歯周病の患者さんがいたとする。
その方は、あなたの医院でスケーリングに通われ、家でもていねいに歯を磨いているようだ。
おかげで動揺や出血が治まり、きれいなピンク色の歯グキになったとする。

(図3)

さて、その患者さんに対して最高のほめ言葉を考えていただきたい。
あなたは、どのように言われているだろう?

  

一般的には、
「○○さんは、スケーリングに通われ、家でもていねいに磨いておられます。だから、動揺や出血が治まり、きれいなピンク色の歯グキになりました。これはあなたが頑張られたからです。」
というパターンが多いだろう。

しかし、これは、“あなたがしたこと”だから“あなたメッセージ”である。
それでは、“わたしメッセージ”を考えていただきたい。

つづく

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