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インフルエンザ考【その4】

2018年04月16日

現在、毎日のように入学式が行われている。

桜が咲いた新入生に対しては、心からおめでとうと言いたい。

さて、受験シーズンは、インフルエンザのシーズンでもある。

試験の時、体調を崩し悔しい思いをした方もいるに違いない。

入学試験は、万全の態勢で臨みたいものだ。

さてインフルエンザは、飛沫感染である。

感染者が”くしゃみ”をするとしよう。

その瞬間風速は、秒速80メートルにも達する。

これは東海道新幹線の最高スピード(時速285km)に匹敵するという。

同時に、ウイルスを含んだ飛沫が1~2メートルも拡散する。

誰かがそばでしたら、簡単に鼻や口から吸い込むことになる。

かくして、ウイルスは咽頭部の粘膜から侵入・増殖する。

そこでインフルエンザの予防には、マスクが重要な位置を占める。

しかし、これは換気の良い部屋での話。

閉め切って乾燥した部屋ではどうだろう。

大きな飛沫は、そのまま床に落ちる。

そして飛沫の水分が蒸発し、塵や埃に付着して舞い上がる。

一方、小さな飛沫も蒸発し、非常に軽い飛沫核となり長時間空中を漂う。

これが”空気感染”である。

そこで多数の生徒が集まる教室では、時々窓を開け換気の必要があるのだ。

ウイルスの大きさは、約0.1μm(マイクロメートル)より小さい。

これよりガーゼマスクの網の目の方が、圧倒的に大きい。

ウイルスは、マスクを容易に通過する可能性がある。

しかし大丈夫!

ウイルスは単独ではなく、塵や埃、水分に付着して漂っている。

マスクはこれらを通さない。

そればかりではない。

ガーゼマスクをすると、呼気中の水分がガーゼに吸収される。

インフルエンザウイルスは湿気に弱い。

そこでガーゼの水分が関所となり、
ウイルスはマスクを通過するときにダメージを受ける。

さらにマスクには、咽頭部の加湿効果がある。

こうしてマスクは、ウイルスの侵入を抑える。

さて、”ぬれマスク法”というインフルエンザの予防法がある。

これは歯科医師である臼田篤伸先生が考え出した方法だ。

これがまた簡単で面白い。

ガーゼマスクをお湯に浸した後、軽く絞りマスクをしたまま眠る。

この時、マスクの上部1/3ほど外側に折り曲げ鼻を出すだけだ。

続く

参考:(参考:『こんなに効くぞぬれマスク』臼田篤伸著/農文協刊) 

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/