2017年10月16日
まず前回のクイズを思い出してみよう。
あなたは、常夏の島に行ったが巨大台風に遭遇した。
しかも暑くて水もなく、今にも熱中症や脱水で倒れてしまいそうだ。
やっとのことで水たまりを見つけたが、
これを飲めばコレラで命を落とすかもしれぬ。
そこで究極の選択。
「汚水を飲めば、間違いなくコレラに罹る。でも飲まなければ、熱中症で命を落とす。」
あなたはどちらを選ぶだろうか?
1:汚水を飲んでコレラ
2:汚水を飲まずに熱中症
あなたならどちらを選ぶだろう? その理由は何だろう?
( )
さて筆者の意見。
まず熱中症の緊急度が高いから、汚水を飲まなければなるまい。
するとコレラのリスクが増える。
しかし、飲んでも罹りにくい方法があると思う。
これまでの連載をご覧の方は、容易にわかるだろう。
それは身体の持つ防衛力を上手く使うことである。
その一つが胃液である。
胃液はpH1~2であるから、強い殺菌力を持つ。
しかもコレラ菌は、pH5程度で死滅する。
これを利用する。
さらに罹りにくい飲み方がある。
汚水を一気に飲むと胃液が薄まる。
これでは十分に殺菌力が働かない。
そこで、少しずつ分けて飲む。
すると胃液が薄まらない。
こうすれば、危機を脱する可能性が高くなる。
さて最近、食事中に水やお茶を飲みながら食べる子が多い。
流し込み食べをすると唾液の分泌量が低下する。
筆者はこれを水洗式咀嚼と呼んでいる。
流し込み食べは胃液を薄める危険な食べ方であることがわかる。
これから日本の子ども達は、ますます仕事などで海外に旅立つことが増える。
だからこそ歯科医の立場からも、自分の身を守る術を伝えておくことが重要だ。
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
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