2017年07月18日
今年も本格的な夏を迎える。
暑くなれば食中毒のシーズンとなる。
学校給食では、その予防のためさまざまな注意を払っている。
1996年、学校給食に病原性大腸菌(O157)が混入し、集団感染が引き起こされた。
多くの読者も記憶にあると思う。
この事件以後、学校給食は大きく変わった。
学校長が、児童より先に検食をする。
そして問題がなければ、給食として出されるらしい。
その後も給食を冷凍保存し、何かあればそれを分析するためだ。
学校では、
“傷んだ物を食べない”・”熱を加えて食べる”・”手洗いをする”
などが徹底されている。
しかしこれは、現在の日本だからできることであり、海外では通用し難い。
もし、食物に原因菌が混入していたらどうだろう?
実際、東南アジアへの旅行中にコレラに罹るケースが多い。
しかも、同じ食物を食べても日本人だけと言う。
なぜ、罹るのだろう?
日本人特有の食べ方があるのかもしれぬ。
さて、O157の問題が起こった頃、某市で学校保健大会があった。
その時、医師会の会長が、
「この市では感染する児童は出てこないだろう。歯科医師会が、学校でカミカミ運動を一生懸命にやっているからだ。食中毒の予防はよく噛むことだから…。」
と言われた。
どうして、噛むことと関係するのだろう?
どうやらその医師は元軍医のようだ。
南方戦線では、食物がすぐに腐るし、水も消毒不十分だ。
そのまま食べれば、さまざまな病気を引き起こす。
軍医の任務の一つとして、いかに兵士をそれから守るかということであった。
そのため、様々な知恵があったという。
どうやらその一つが”よく噛む”ということらしい。
そこで、ある実験を行った。
続く
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
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