2007年07月02日
これは小学生A君の上顎臼歯部である。本人が歯を磨いたあと、確認に染め出し液でチェックをしようとしたが、染色液がなかった。第2乳臼歯には乳歯冠が装着されており、その奥には第1大臼歯が萌出している。唐突だが、ここで問題。さて上顎の第1大臼歯は磨けているだろうか?
1.プラークが付着している
2.きれいな状態である
理由は、写真の中に隠されている。ヒントは乳歯冠だ
(図1)
(図2)
(図3)
そう!ご名答!プラークは乳歯冠の遠心半分にのみ付着している。つまり歯ブラシは、第2乳臼歯の近心までしか届いていない。遠心に付着していることは第1大臼歯も当然汚れている。
さて下顎の第1大臼歯は、上顎に比べ齲蝕になりやすい。しかし、歯磨き指導をしていると、意外と下顎は効果が得やすいのに、上顎はいま一つなのである。
どうしてだろうか?上顎は、直視できないので,いつ萠出したかわからない。
また先ほどの例のように、そこまで毛先が届かない。これが大きな原因だ。
そこで筆者は、指先磨きを教えている。歯ブラシで磨く前に、指先で歯の位置や感触を教えることが必要だ。まず、利き手の手首を返し、人差し指で上顎第1大臼歯の咬合面を触らせる。そして、人差し指で磨かせる。こうすれば、歯の位置がよくわかる。道具を使う前に、まず自分の指で体験することが重要なのだ。
□■ 岡崎先生のホームペ-ジ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/