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禁煙替え歌

2007年06月04日

インターネットで“禁煙”をキーワードに検索していたら面白い替え歌があった。どうやら救急病院の手術室に勤務する方のホームページのようだ。禁煙の替え歌を作って、飲み会で歌われているらしい。

その替え歌を紹介する。タイトルは「指つなぎ」。
紅白でも歌われた歌手 一青窈(ひととよう)、「もらい泣き」の替え歌だ。
メロディーをご存知なら、口ずさんで欲しい。

「指つなぎ」
もう嫌 ゆうべから指つなぎ
こっくり こっくり 眠気がさす
「ええい、ああっ!」術者がキレかける
つかないのは 何故です?

救急から緊急手術の依頼
いやな予感が的中
手指切断 5本ともつなぐんだよと
ふっと術者が笑う
顕微鏡下の血管縫合は
時間との戦いだし
組織に埋もれた血管や神経
ひとつひとつ縫って接いで・接いで・接いで…

もう嫌 朝まで指つなぎ
ぶっつり ぶっつり 神経が切れる
「ええい、ああっ!」周りもキレかける
つかないのは 何故です?

この歌詞を見ると救急医療の現場の様子がよくわかる。終業間近になると気が緩むのか、このような事故が頻発するらしい。一方、「サア!帰って一杯!」と思っていたら、緊急手術となる。手指を5本も切断しようものなら徹夜覚悟の長丁場となる。それぞれの現場で、それぞれの方々が、一生懸命仕事をしておられる。たいへんな仕事なのだと思う。

このホームページに、もう一つ興味深い替え歌があった。次にそれを紹介する。
「イチゴ白書をもう一度」の替え歌で「緊急手術をもう一度」。ご存知の方も多いことだろう。

「緊急手術をもう一度」
いつか指を接いだ 患者がまた来る
病棟を抜け出して タバコ吸ってた所為
一度生着して安心してたら
今朝から紫に変色しだした

あんなに苦労してつないだ血管の
血流は途絶えて もう二度と治らない

君は覚えてるか 徹夜手術を
5時間かけた努力 全て水の泡

タバコに含まれるニコチンは末梢血管を収縮させる作用がある。苦労してつないだ血管も,血流が途絶えて壊死してしまう。なるほど・・・だから医者が執拗に禁煙を勧めるのか・・・。この歌から、自嘲と怒りの声が聞こえてきそうだ。

ついでに、ある循環器内科の医師のぼやき・・・。虚血性心疾患の大きなリスクの一つに喫煙があげられる。治療法の一つとして、冠動脈の狭窄に対してステント手術がある。金属の網を留置することで冠動脈を広げ、血流を良くするのだ。ところが、この材料費だけで40万円もするらしい。やっとのことで、一命を取り止める。しかし手術後も喫煙の影響で、別の部位の狭窄が起こる。なかには、一人で4つも入れている輩がいる。「材料費だけで160万円もかかるのに・・。」と怒っていた。医師は言う。「健康保険制度は一律、3割負担がそもそもおかしい。悪いことがわかって吸っているのだから、5割・・いや9割負担にしてもおかしくない。」なるほど・・・医療費がこのような使われ方をするから、健康保険財政は大赤字になるのか・・。歯科医療費が削減される理由の一つとして、喫煙の問題があることがよくわかる・・・。