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変な歯医者が書いた院長の心得3 『5分』

2007年03月19日

今日のMさんのアポイントは10時~11時。ブリッジ形成も順調にテンポラリーも完成した。時計をみると10時55分。次の患者さんは11時から。その時あなたがとる行動は?
1:何も言わず印象までしてしまう
2:患者さん、スタッフに確認して印象する
3:そのままテンポラリーを付け次回印象の予定でアポイントをとる。

1:を選んだあなた。患者さんのことを思ってだと思います。少しでも早く印象した方が、その人にとってブリッジが早く入ります。しかも保険点数も上がります。しかし、考えてみて下さい。決められたアポイントの時間まで5分しかありません。今テンポラリーを付けても時間ギリギリです。残された5分の間に、その方に今日したこと、次回の予定、注意事項を説明し、さらにはチェアをクリーンアップしなければなりません。治療時間が11時までなのではありません。次の方を11時には御案内するのです。しかもその5分、もしかしたら院長の勝手な自己満足かも・・・。患者様は30分間の治療と聞いて、忙しい合間を縫ってこられます。お仕事の途中やお昼休みを利用される方もいらっしゃるでしょう。5分延ばして治療が先に進むより、時間通りに終わるほうがいい方だっていらっしゃいます。スタッフは院長から厳しく言われているので、清潔にして次の患者様をお通ししなければなりません。スタッフからすれば時間を守れということと院長の行動に矛盾はないでしょうか?院長は11時に終了して11時に次の方を御案内できますか?
 
2:を選んだあなた。本当にその患者さんは時間が延びることを了解したのでしょうか?たしかにOKは出しました。でもそれは『少し時間延びてもいいですか?』と聞いた程度ではないでしょうか?『少し』ってどのくらいですか?患者様は寝たままで、『はい』と答えざるをえない状況じゃありませんか?『時間がない』といったら仮歯も入れられないで帰される。雑にされるんじゃないか?先生に嫌われるんじゃないか?本当は時間通りに終わってほしいのに、そんな複雑な気持ちでOKをだしたのかもしれません。もしかして前回も治療は延びていませんでしたか?毎回約束の時間より長引いていませんか?次の患者様にも遅れることについてなんの説明もしていません。そしてその説明をするのは先生ではなくスタッフです。スタッフが、時間通りに来られた方に謝るのです。せっかく時間を守ってくださっているのに・・・。受付スタッフは常に患者様と対面しています。常に表情を見ています。時間を気にされている方、診療室の扉が開くたびに「あ、私の番かな」とソワソワされる方、そんな方々の「まだかな」という視線は厳しいのです。「どうせ待たされる」ということが当然になってしまうと、時間通りに来てくださる方も少なくなるでしょう。そして当然ながら、遅れてこられても「予約時間を守ってくださいね」なんて言えませんよね。病院側が予約時間をとっておきながら時間を守らないんですから。先生は、この方のためにあと5分、と思われるでしょう。でも次の方の5分を使ってしまうと、また5分延びます。どんどん悪化して終了時間が延び、スタッフから不満が出てくるのは当然です。そういう状況が重なり徐々に予約時間が守られなくなるのです。総合病院などで長く待たされたとき、あまりにも自分の名前がよばれなくて、ちゃんと受付してくれたのかな?と不安になったことはありませんか?その不安が大きくなる前に一声かけて安心していただくのが受付の仕事です。でもそれが毎回だと、受付スタッフまでもが「遅れて当然」と麻痺してしまいますよ。

3:を選んだあなた。この3つの中から選ぶとしたらこれが正解になるでしょう。しかし、実はこれでも遅いのです。5分前に終わり、チェアー周りを清潔にし、時間通りに次の患者様をお通しする。この気持ちがないと待ち時間が出てしまいます。

目の前の患者様にできる最高の処置をする、これは当然のことです。でも患者さまは1人じゃありません。院長であるからには、院内が上手く回るように流れを作る必要があります。
また、たとえ次のアポはなし。あとはお昼休み・・・。なんて時も、先生一人が治療して説明して会計してお見送りをするわけではありません。アシストがいてクリーンスタッフがいて受付がいてこそ、その方の診療は終わります。時間をオーバーした上に自分だけさっさと休憩していると、アシストも気持ちよくついてくれなくなります。特に女性スタッフはおしゃべりが好きで、みんなとのお昼休みだって貴重な休憩時間なのです。待ち時間がでるのが当たり前の待合室。クレームの矛先は受付です。スタッフの方、患者様のことを大切にするなら時間は必ず守って下さい。予約というのは、「あらかじめ約束をしておく」ということ。たかが5分、されど5分。約束を守りましょう。時間通りにご案内する習慣がついてくると、患者様も遅れずに時間通りにきてくださいます。