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口腔内からの健康増進を絡めた医院づくり【6】続・なぜ私の顔イボがとれたのか

2018年12月13日

さて、なぜ私の顔イボがとれたのかという話の続きです。

最近、表情筋が衰えている方が多いという話は、皆さんもお聴きになったことがあるのではないでしょうか? 
美容器具に“新発想 表情筋を鍛える”というようなCMもあるほどです。
表情筋は衰えていて、咀嚼筋はTCH(tooth contacting habit、上下歯列接触癖)等で慢性筋肉疲労を起こしている。
というのが現代の方のお口の中の特徴です。
血液やリンパは、一定方向に向かって、筋肉ポンプが弛緩と収縮を繰り返すことで、送り出されます。
衰えていても、疲労を起こしていても、結局は口の中は血行不良を起こしています(図1)。


図1 筋肉ポンプの仕組み。

いわゆる、“むくんでいる”という状態です。
口の中がむくんで、シミ、シワ、イボなどの原因になっていることがあります。
口の中の筋肉ポンプを動かすことで、むくみが解消され、顔にできたイボが消えたというのが、おそらく私の顔に起きたことです。
口の中はむくみやすいですが、指や専用器具を使ったストレッチで、意外と簡単に筋肉ポンプを動かすことができます。
専用器具を使用したストレッチ方法は、動画にて確認できます。


図2 リンパの走行(青矢印)、リンパ節(赤点)

コツは2つあります。
●動かす方向
静脈やリンパ管には逆流防止弁がついていて、図2に示すように方向を間違うと、効果があまり出ません。
そんなに細かくはこだわる必要はなく、ざっくりと近心から遠心にストレッチするとだけ覚えていただければ十分です。

●皮膚側を押さえる
表情筋は皮筋といって、皮膚に停止しています。口の中をストレッチする場合、皮膚側(顔)を押さえておかないと、ストレッチしても筋肉が逃げてしまいます。
また、長期的にみると皮膚が伸びて、たるみの原因になる可能性があります。

ほうれい線を薄くしたい場合は、ほうれい線を指の腹で押さえて、口の中では、近心から遠心にストレッチします。
また、ほうれい線の延長線上にあるモダイオラスに筋肉が集中していますので、そこをストレッチすると、口角が上がりやすくなります。
2重アゴが気になる場合、舌および舌下がむくんでいるので、そこをストレッチします。

顔はご存じの通り、ほとんどが筋肉でできており、その筋肉が何層にもなりミルフィーユのようになっています。
口腔内からのストレッチは、そのミルフィーユの深層、つまりコアの筋肉ポンプを直接ストレッチします。
美容に関係する、上唇挙筋、上唇鼻翼挙筋、下唇下制筋などはミルフィーユの深層に位置しており、顔の表面からストレッチするよりも効果があります。

最後に、舌のトレーニングも兼ねて、「舌まわし変法」を伝授してこのコラムの締めとさせていただきます。

一般的、舌まわし体操は、舌を時計回りもしくは反時計回りに、齦頬移行部あたりをグルグルします。
インターネットで検索すると「ほうれい線が消える」「老け顔防止」などとして紹介されています。
リンパの流れ、皮筋の特性を活かし、さらに効果のある「舌まわし変法」は、舌先をグルグル回すのではなく、常に正中から始まり、近心から舌が届く最遠心までいきます。
また正中にもどり遠心へと、静脈やリンパの流れを意識します。
さらに、皮膚に手を添え、口の中の舌の圧を感じながら皮膚が伸びないように押さえます。
舌に癒着のない方ならこの「舌まわし変法」をすると、口の中が広がった感覚があるはずです。
いわゆる口内ボリュームが広がった状態です。
唾液分泌が促進され、咀嚼筋や表情筋の血行不良が改善され、さらに舌のトレーニングにもなり、一石三鳥の方法です。
ぜひ、あなたや患者さんの健康寿命延伸やQOLの向上のために実践してみてください。

竹屋町森歯科クリニック 院長
森 昭
http://morishika.main.jp/