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変な院長が書いたモチベーションを高く保ち続けるしくみ作り 『イベント』

2007年08月06日

平成17年6月に、竹屋町森歯科クリニック開業以来はじめての大きなイベントをしました。6月の虫歯予防月間のとある土曜日に医院とスタッフルームを使って、患者様を巻き込んで行われた「ハッピースマイル全員集合」では、初めてにも関わらず120名あまりのかたに来場いただき、大成功に終わりました。

まずは、「歯医者は怖い」というイメージ、「痛くなったら行くところ」という概念をなくそう!ということで、来院者の皆様に「楽しんで歯医者に来てくださいね」というメッセージを込めて企画・立案しましたが、準備が進むにつれてスタッフの気持ちも高まり、「あれしよう」「これしよう」と、診療後に準備に取り掛かるようになりました。各パーツにわかれて準備をしていくことで効率もよく、「自分たちの企画を成功させるぞ」という思いから、大変内容の濃いものが出来上がりました。

当院の栄養士による「栄養クイズ」「食べ物のトリビア」や歯科衛生士による「健康コーナー」男性陣の「射的」、大人から子供まで楽しめる「ビンゴ」など、さまざまなコーナーでのそれぞれのスタッフの頑張りが、来場者のアンケートに「楽しかった!またイベントをしてほしい」と記入してあることで、大きな喜びになりました。また、ご近所の方や来院者、スタッフから集めた品々でのバザーも好評で、その収益金は市の福祉施設に寄付するということで新聞にも取り上げられ、地域にもわずかながら貢献でき、イベント終了後は心地よい疲労感がありました。

ほとんどをスタッフにまかせること・・・予算を決めてあとは自由にしてもらう。こうすることで、スタッフそれぞれが「できること」「喜んでもらえそうなこと」「子供が楽しめそうなこと」「予算のこと」を考え実行に移します。最初は「面倒だな」と思うスタッフもいるかもしれませんが、準備していくうちに楽しいパワーに飲み込まれて、どんどん楽しく取り組んでくれるでしょう。そして楽しいイベントのあとは、うれしい食事会です。このときは近所のおいしいおすし屋さんに行きました。決して安くはないのですが、スタッフにとってはこれも大きなイベントです。好きなものを好きなだけ食べて、労をねぎらってもらいました。

こうして、医院と来院者を巻き込んでのイベントもあり、また院内でのイベントもあります。例えば「医業収入が前月超なら食事会」や「冬のカニカニツアー」などです。大きなものでは「一定期間の医業収入目標を達成したら慰安旅行をオーストラリアに!」もありました。「頑張ればご褒美がある」というのは、時と場合によりますが、モチベーションを保つためにはやはり必要です。

「ご褒美」というよりも「目標達成」として伝えられると、スタッフも受け入れやすいのかもしれません。というのは、以前に「医院のためのよい意見をだして、それが採用されたら○○をプレゼント!」として意見を募ったとき、若手衛生士から「プレゼントなんてなくても医院のことを考えてます。なんでもすぐに物で釣るのはいやです」という意見が出たことがあったからです。「頑張ったらこれをあげるよ」ではなく「これを目標にみんなで頑張ろうね」というほうが伝わりやすいのかもしれません。また、あまりイベントが多すぎてもそれが普通になってしまいます。ちょっとペースダウンしてきたかな・・というときにこんな刺激があると、また一丸となって頑張れます。
 
 
また当院では、来院者の方にアンケートをお願いすることがあります。初診で来られた方には、当院の印象や不安なことを聞き、自費補綴やホワイトニング、インプラントをされた方には噛み心地や見た目の変化、審美性などをご記入いただいています。

ここでいただいた感想を、スタッフ全員で共有するためにスタッフトイレに貼り出します。ありがたいことに、「悦びの声」が大変多く、スタッフのモチベーション維持に大きな役割を果たしています。また、その日に集まったアンケートの「悦びの声」だけを終礼で発表します。お叱りの声があればもちろん原因や対策を考えますが、「喜びの声」だけを終礼の時間に共有することで、気持ちよく一日を終えることができるのです。トイレに貼り出すのは、いつも読むことができる点で大切です。筆者のお名前と内容に心当たりがあれば、そのスタッフにとって特別な1枚のアンケートになります。ここでまた気持ちが高まり、診療室へと戻っていくのです。

他にも、スタッフが毎月提出する目標設定用紙に「今月、患者様に感謝された中で最もうれしかったこと」という項目があります。それぞれのスタッフの役割にもよりますが、中には「あなたに出会えてよかった。ありがとう」とすばらしい言葉をいただいたスタッフがいます。この用紙もトイレに貼り出し、目標や感動をスタッフで共有しています。やはりスタッフが頑張れるのは、来院者が喜んでくださるから・・・。これが一番なのでしょうか。「声」を集めるしくみをつくることで、スタッフに来院者の生の声が伝わり、大きな励みになります。