2007年02月05日
今回は、タバコによる税収と支出について考えてみたいと思います。
現在、国税や地方税など価格の63.1%もの税金がかかっています。タバコ1箱300円とすれば、189円の税金となり、年間約2兆円もの税収が見込まれています。
これだけ税金を支払えば、経済的な貢献をしていると思われます。でも本当でしょうか?
そこで問題です。
A家は5人家族で、お父さんは平均的なサラリーマン、お母さんは専業主婦、で3人の子どもがいます。
家族は、誰もタバコを吸っていません。(注2004年「国民生活基礎調査」 年間平均所得は579万7、000円)さてA君の家族は、喫煙者のために知らない間にお金を支払っています。さて、年間どれくらい支払っているでしょうか?(図1)
1:1万円 2:5万円 3:10万円 4:25万円
図1
正解は4番の25万円です。
タバコによる税収は2兆円ですが、タバコによる医療費は2002年で1兆2、900億円となっています。これだけ考えれば、それでも7、100億円の黒字にみえます。しかしタバコの副流煙による間接喫煙者の医療費が146億円です。これで6、854億円。さらに火災、あるいはごみの処理、休業損失、早死にするために6兆346億円のお金が使われており、総支出は7兆3、246億円となっています。(2002年医療経済研究機構の発表記事より)差し引きすると約5兆3、246億円の損失になります。これを日本人口の1億2、772万人(2006年8月)で割ると、国民1人あたり4万1、690円となります。つまりタバコのために、私達1人当たり年間約4万2、000円のお金を無駄使いしていることになります。(図2)
図2
さて現在の喫煙人口は3、032万人(JT)と推計されています。(ただし、未成年は含まれていません。)つまり日本の非喫煙者は約9、740万人となります。
喫煙による損失の5兆3、246億円を9、740万人で割ると5万4、667円になります。つまり非喫煙者は、喫煙者に対し1人あたり5万4、667円のお金を支払っている計算になり、5人家族では27万3、335円のお金を余分に払っていることになります。(図3)ちなみに、タバコ税でこの赤字を埋めるためには、タバコの価格を600円以上にする必要があるそうです。
図3
□■ 岡崎先生のホームペ-ジ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/