MAIL MAGAZINE メールマガジン

ふしぎ・ふしぎ 咀嚼と健康 ~その15~ —スナック菓子考—

2005年03月22日

アメリカの空港に降り立つと、極度の肥満の方が多いのが目に付く。
現在アメリカでは、肥満が大きな社会問題になっている。
肥満は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病につながるからだ。

 

図1
アメリカの中年夫婦の体形1

 

ところでアメリカの中年夫婦を見ていると、体形が見事に正比例している気がする。
女性が太っていると男性も太り、女性がスリムだと男性もスリムである。
どうして中年夫婦の、体形が正比例するのだろうと思う。

 

図2
アメリカの中年夫婦の体形2

 

肥満は、遺伝的な要素が強いが、長年に渡り同じ食生活をしていることも一因だろう。
肥満は、食生活と関係が深いのだ。
 
 
さてアメリカの書店で、ジャンク・フ-ド(JUNK・Food)という絵本を見つけた。
これは子どものための肥満予防の本である。

 

図3
ジャンクフード 絵本

 

ジャンクとは、”くだらないもの”“ガラクタ””クズ”等を意味する俗語である。

ポンコツ車が山のように積み上げられているものを“ジャンク”と表現するし、不良グループを“ジャンク グループ”と呼ぶ。また新聞にたくさん入ってくる広告のチラシのことをジャンク・ペーパーと呼ぶ。

“ジャンク・フ-ド”とは、さしずめ“くだらない食物”“体に良くない食物”という意味なのだ。
 
 
さてこの本の表紙には、甘いオカシだけではなく、スナック菓子も描かれている。
“ジャンク・フ-ド”には、スナック菓子も含まれるのだ。
 
 
さてわが国では、甘いオヤツが悪いオヤツと考えられているが、スナック菓子は悪いオヤツの範疇には入っていない。

そう言えば診療室で、「子どもには甘いオヤツを一切与えていない」という母親がいた。

どんなオヤツを与えているのか聞いたところ、スナック菓子ばかりを与えているとの返事であった。

さて、むし歯予防の為に甘い食べ物はダメ!ということは誰でも知っているが、スナック菓子はどうなのだろうか?

むし歯には、直接関係ないと言って、無制限に与えていても良いものだろうか?

ポテトチップを例にすると、約35%の脂質が含まれる。
そもそもイモにはアブラが含まれないはずだ。なのに、製造の過程でアブラが使われる。

また塩分も多い。塩の取り過ぎは高血圧につながることは有名である。

スナック菓子は悪い食物と考えられていないので、ジャンクフードに対する和訳を考えてみた。

SOS食品と訳してはどうだろうか。

Sugar(砂糖)のS、Oil(アブラ)のO、SALT(塩分)のS。

砂糖だけではなく、脂質も塩も過剰な摂取は良くないこと言いたいのだが、どうであろうか?
 
 
図1・図2:アメリカの中年夫婦は、体形が正比例している。
図3:ジャンク・フ-ド(JUNK・Food)と言う絵本の表紙
 
 
( 岡崎先生のホームペ-ジ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/  )