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血液型考 その2/血液型の科学

2012年08月07日

前回、血液型と病気との関係について少し触れた。

O型は、あらゆる病気に抵抗力を持ち、なかでも梅毒と結核には感染しにくい。 戦前の研究でも梅毒末期の患者はO型23%に対しA型42%となっている。
結核においてもO型は、B型より10%感染率が低いO型が弱い病気を強いて言うなら、コレラをはじめとする消化器系疾患である。
しかし全体的に病気に対する抵抗性が強い、A型の筆者にとって羨ましい血液型だ。

一方、最も感染に対して弱いのはAB型である。 
(図1・図2)

でも、どうしてこのような事が起こるのだろう?

その前にABOの血液型は、どのようなものなのかについて簡単に触れる。

これはオーストリアのランドシュターナーが、血液の凝集反応を見て発見したものである。
血液が凝集した順番にA型、B型とし、凝集しないものを0(ゼロ)型とした。
後に、ゼロがオーに代わりABO型となった。(注1)
この血液型は、赤血球の表面についている“糖鎖”により区別される。

まず基本形はO型。
O型の赤血球の表面にはH型と言う糖鎖が付く。
A型とB型は、H型の上にそれぞれA型物質、B型物質を持つ。(注2)
これを両方とも持つのがAB型、どちらも持たないものがO型である。
(図3)

すなわち赤血球の糖鎖の違いが、血液型の差を作り出しているのだ。

ところで生物は異物が侵入すると、それを攻撃したり排除する自己防衛システムを持つ。

その一つである抗体は、特定の異物を認識し狙い撃ちするミサイルのようなものだ。
赤血球の糖鎖で考えると、A型の人の血清中には自身のA型物質に対する抗体はないが、B型物質に対する抗体がある。
逆に、B型の人はA型物質に対する抗体を持つ。
さらにAB型は両方の抗体を持たず、O型は両方を持つことになる。
だから血液の凝集反応が起こるのだ。

さて、このA型物質・B型物質を持っているのはヒトの血液だけではない。

自然界の動物・植物ばかりでなく、さまざまな細菌も持っている。
例えば結核菌は、B型物質を持つ。
したがってB型の人は、結核菌を異物とみなさないので感染しやすい。

このような理由から、BCGで陽転しにくく、結果としてO型より約10%罹患しやすいのだ。
またAB型は、A型・B型に対する抗体を持たないから最も感染に弱い。

さらに血液型は、他にもガンや生活習慣病とも関連しているという。

さて、人類の祖先は、すべてO型であったと考えられている。

アフリカ大陸で誕生した人類が、世界中へ進出し生き残るためには、O型的な要素が求められたのだろう。
これは世界的の先住民にO型が多いことからもうなずける。(注3)
その後、A型、B型が誕生した。
穀類を食べてきた農耕民族はA型、肉や牛乳を食べてきた遊牧民族にはB型が多いという。(注4)
すなわち食物の違いが、A型とB型を生み出した可能性がある。

ところでAB型は、1000年以上前の墓からは見つかっていない。
それ故、この血液型は比較的新しいものかもしれない。
A型とB型の混血によりAB型が誕生したと考えられているのだ。

なるほど・・・・。

血液型の謎解きはおもしろい。                続く

注1:当初AB型がなかったのは、この実験の際AB型の人がいなかった。
注2:A型は、H型の上に“N-アセチルガラクトサミン”(A型物質)が付き、B型は“ガラクトース”(B型物質)が付く。
注3:南北アメリカなど世界の原住民には圧倒的にO型が多い。
注4:A型はアジア大陸に定住した新モンゴロイド、B型はモンゴル高原の遊牧民に誕生したと考えられている。

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