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歯科衛生士として、どんな人生を送りたいですか?

2006年11月20日

歯科衛生士学校における最初の講義で、次の質問をすることにしている。あなた達は、歯科衛生士としてどんな人生を送りたいと思いますか?
次のどれかに手を上げてください。
1番:結婚や子育てをする・しないに関わらず、一生歯科衛生士として働きたい。
2番:結婚や子育てと平行して、一生歯科衛生士として働きたい。
3番:結婚や子育てを機に一度退職するが、また復帰して頑張りたい。
4番:結婚や子育てを機に退職し、専業主婦として家庭を守る。
5番:歯科衛生士の免許取得後、また別の分野の勉強をしたいので違った道に進みたい。

このような質問をしたら、今の学生達はどう答えるパターンが多いとお思いだろうか?33名中、1番が3名、2番が6名、3番が23名、4番は0名、5番は1名であり、33名中1番、2番、3番が実に32名を占めた。これほど子育て後、復帰したいと考えている学生が多いことに驚いた。現代の世相を反映した回答結果なのだろう。最近発表された調査では、4年制の女子大生でも同じ結果だと言う。歯科医師は、歯科衛生士が復帰しやすい職場の環境作りにも配慮しておかなければなるまい。

しかし・・・である。復職を希望するのであれば、歯科衛生士としても考えておくべきことがある。もし、子どもが突然発熱すれば、医者に連れて行かなければなるまい。子どもの参観日には、授業の様子を見に行きたいだろう・・・。
そうすれば歯科医院のスタッフに迷惑をかける。ともすれば、スタッフ間に軋轢(あつれき)が生じるかもしれない・・・。

しかし、迷惑をかけたとしても、自分がそれ以上のものを持っていれば話は別である。例えば、○○さんがいてくれると・・・・
●他のスタッフにいろいろ教えてくれる。
●リーダーとして他のスタッフの面倒をみてくれる。
●明るくて医院の雰囲気がよくなる。
●アシストに付くと子どもが泣かない。
●リコール率が上昇する。
●患者さんからの評判がよい。

これらは、歯科衛生士としての腕なのである。だから学生には、復帰した時に免許を持っているだけでは通用しないことを伝えている。これは、歯科医師免許でも同様だ。大学に入るまでは、大学に入ることがゴールであった。入学すれば、卒業して歯科医師免許を取得することがゴールと思っていた。しかし歯科医師免許は、これから歯科医師として生きていく、最低必要限の知識を得たにすぎない。卒業後は、日々の臨床の中で研鑽を重ね、自分を磨き高めていくものだ。臨床は、目先だけのことではなく、遠い未来のことを考えながら行わねばならない。こんな講義をすると、学生達の目の色が変わって勉強してくれるのだ。
 
 
□■ 岡崎先生のホームペ-ジ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/