2017年02月06日
低年齢児の歯科健診は、対面座位(knee to kneeのポジション)で行う。
保護者は脇をしめ肘で子どもの足を固定し、子どもと手つなげば体動が抑制される。
子どもの下半身が固定されていると、腹筋で起きようとする。
術者は、左手で軽く子どもの下あごに触れる。
こうするだけで大人でも起き上がりにくい。
是非、読者も試していただきたい。
さて、この姿勢に至るまで時間がかかると、子どもが嫌がり始める。
そこで、あらかじめ健診時の姿勢のポスターを作り目につく所に張り出す。
入室時に「どちらの歯ブラシで磨こうか・・」などと笑顔で言う。
「青の歯ブラシにする、それとも緑?」と言いながら、小児用歯ブラシを見せる。
すると、ほとんどの子どもは、歯ブラシを選ぼうとする。
選ばせることで、歯を磨いてもらうモードになる。
この様にして警戒心を解き放つ。
それでも、口を開いてくれない場合。
ヘッドが小さくて丸い歯ブラシを、
第2乳臼歯遠心の歯肉に差し込むように挿入する。
こうすると、あら不思議! 口が開く。
開いた瞬間に
「大きなお口が開けているね。上手、上手!」
と言いながら歯を磨く。
こうすることで保護者は、子どもがお利口に口を開けたと思わせる。
この際、歯ブラシのヘッドを湿らせておくと、滑りが良くなり口を開けやすい。
しかし、ヘッドが大きかったり、角ばっていると、スムーズに挿入できない。
歯ブラシ1本で口を開けさせるコツがある。
前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
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