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食を通じ読者の健康を目指すコミック ひよっこ料理人

2012年09月28日

“ビックコミックオリジナル”と言えば、発行部数70万部と、男性コミック業界ではトップレベルを誇る雑誌である。 「あぶさん」・「浮浪雲」・「三丁目の夕日」・「釣りバカ日誌」などと言えば愛読者も多いことだろう。

さてこの雑誌の中に丸一話、歯について描かれたものが登場した。
おそらく、これは史上初めてであろう。
その題名、以前ここでも紹介した「ひよっこ料理人 第17話 おやじにおじや」(2012年4月20号)である。
(図1)

作者は、魚戸おさむ先生。
一昨年、テレビドラマ「Jin-仁-」で一躍有名になった村上もとか先生の弟子でもある。(注1)

先生は、食を中心として描きながら、読者も健康になるストーリーを目指しているとのこと。
おもしろい考え方だ。
“歯のこと”・“噛むこと”にまつわる話は、まさにこれに該当する。
我々、歯科医療従事者の目標とも一致するのだ。

さて第17話の内容。
冒頭に顔を腫らした教師(公太)が登場する。
(図2)

どうやらむし歯を放置していたという設定のようだ。
子どもに促され、しぶしぶ歯科医院に入っていく。
しかし、歯の治療が怖くて飛び出してくるのだ。

その時、主人公のひよこと出会う、彼女の父親は大学に勤務している歯科医師である。
そこで今度は、大学病院に行くことになる。

この先が大笑い。
なんと! そこには“日之本歯科大学附属病院”の看板が掲げられていた。

(図3)

某有名歯科大学病院とそっくりではないか。
 ⇒ http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/ きっと作者は、建物の写真を撮りに行ったに違いない。

しかも治療中の会話。
*「一本のむし歯ができると口の中全体がむし歯になりやすい環境になっている。ここだけ治療して安心したらダメだ!」
*「むし歯は早く治さないと治療の時間も、回数も治療費もかかることになる」
*「この奥歯を一本抜くだけで噛む能率が40%に落ちる」
*「歯は“歯車”と一緒で一本欠けただけで時計が狂うようにうまく動かなくなる」 
(図4)

我々の訴えたいことを代弁してくれているのだ。
コミック誌の社会への影響力は計り知れない。
しかし残念なことに、この号のバックナンバーはもう手に入らない。
・・・と思っていたら 8月末に単行本“ひよっこ料理人 第2集”が発行されるとの情報を耳にした。
 (図5)
 

 ⇒ http://big-3.jp/bigoriginal/rensai/hiyoko/index.html

是非、待合室に置いて患者さんの目に留まるようにしていただきたい。
この単行本、売れ行きが良ければ、魚戸おさむ先生、きっと歯の話題を取り上げてくれるに違いない。

 注1:連載(2000年 – 2010年,スーパージャンプ,集英社)

>>岡崎先生のホームペ-ジ
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/