MAIL MAGAZINE メールマガジン

歯科医院経営について ~その18~ 『戦略のための準備2』

2007年04月02日

■□ 戦略の必要性 ■□
「経営戦略を考えて実行に移し・・」などと言うと、堅苦しく聞こえ、それは一般企業などの話で個人経営者には縁のないことのように考えられがちですが、規模や職種にかかわらず、経営全般において“戦略”は必要なものです。

100円ショップにだって、店舗の立地や、人の流れによって品揃えが微妙に違うのをご存知ですか?この品揃えも“経営戦略”のひとつです。また、コーヒーショップの内装をご来店になってほしいお客さまの雰囲気にあわせることも、メニューに工夫をこらすこともそうです。

高度な戦略も存在しますが、意外に戦略というものの中には、身近なものも存在し、一種の“アイデア”みたいなものも含まれます。ですから、自然と行われている場合も多いのです。たまに恐ろしく繁盛しているところがあって、さぞかしや隠れた秘策があるものと世間からは思われているのに、「特にとりたてて何もしていません。」という場合があったりもするわけです。

 

■□ 戦略の指標 ■□
このように、偶然の成功もありがたいものですが、やはり、経営においては、狙った効果がでること、安定した結果が得られることが重要です。そのために、“戦略”をたて、戦略の実行具合を図る“指標”を設定し、経営者として、医院の状況を常に把握しておきたいものです。

そこで、必ず「経営分析」という話になるのですが、残念ながら、経営分析に用いる数字というものは、過去のデータなのです。過去の反省や次の戦略のための“データ”としては、たいへん意味のあるものですが、資本回転率だとか、経営収支比率だとか、数字のマジックのようで、よくわかりにくいものになっているのが実情です。

高いお金を払って分析を依頼しても、長い説明のあとに、「結果的に、資金繰りが悪いということです。」などという、コンサルタントの締めくくりの言葉にがっくりときたという笑えない話もあります。

去年どうであったかではなくて、今どうなのか?そのために来月はどうするのか?を、考える“指標”をスタッフ皆がもつことです。

経営者として必要な数字を院長先生が把握される一方で、医院の現状分析から考え出した“戦略”をスタッフと常に”共有している”ことが大切なのです。
 
 
□■ 山中先生のホームペ-ジ http://keiei-kyoto.com/