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歯科医院経営について ~その7~ =経営は結果ではなく作り上げるもの1=

2006年08月21日

歯科医院は、院長先生の個人事業でありながら、診療は、スタッフと協力して作り上げるチーム医療です。
そのため、医院経営は普通の事業主とは違う難しさがあるといえます。
院長先生は、スタッフに対しては雇用主であり、診療を行うチームの一員であり、診療方針を決めるドクターであり、医院の経営を考える経営者であるという複雑な立場をすべてこなさなければならないのです。

これらのことが全てうまくいくためには、技術や目に見えるものから離れた思いやりや責任感などの評価されにくいものが関係してきます。
院長先生が頭ごなしに命令する形では、スタッフが萎縮してしまって動きづらいでしょうし、反対にスタッフのご機嫌を伺いながら仕事をお願いするのもうまくいきません。
院長先生とスタッフのお互いが気持ちよく、自分のなすべきパートを確実に、また自発的にこなすことで医院が活性化することが理想です。
そこに、患者さまに喜んでいただける心地よさ(ホスピタリティー)があれば、《 院長―スタッフ―患者様 》という最高の関係が構築できます。

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ミッション(Mission):○○歯科医院の存在理由とその使命です。
ビジョン(Vision)  :○○歯科医院の一定期間後の将来の姿を描いたものです。
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□■ 現状の理解 □■
ビジョンを思い描いてください、スタッフに伝えてくださいと申し上げましたが、共有するだけで実現できるほど時代は甘くはありません。
このビジョンの達成のために何をすればよいのかを考える必要があります。
このときに、思いつきで何かを行ってみるのではなく、ビジョン達成のための方法(ストラテジー:戦略)を考えます。
そのためには、まず自分を知り、自院を知り、スタッフを知ることが大切です。
そして、ライバルを知ること、自院のおかれている状況を理解することがそのスタートになるのです。

開院のときには、診療圏調査だとか、近隣の状況理解だとか、開院にあたってのさまざまな調査や、説明を受けられたのではないでしょうか?
あれから数年・数十年がたち、近隣の状況も変化してきているはずです。
当初のスタッフも入れ替わり、ひょっとしたら、先生の開院にあたっての熱意も変化してきているかもしれません。
ここで、一度、業者任せの調査ではなく、スタッフと一緒に現状分析をしてみてください。

◆ 自院の強みは何なのか?弱みは何なのか?
  技術力ですか?スタッフの優しさですか?

◆ 近隣の状況はどう変化してきているのか?
  人口は増えましたか?減りましたか?工場やオフィスは増えましたか?
  変化にともなうニーズは何ですか?

◆ 競合歯科医院の状況はどうなっているのか?
  新鋭の機器を揃えた歯科医院の開業、駅近の医療モールのサービス内容。
  診療時間の融通性。

これらのことを、スタッフと一緒に考えることによって、問題点や有利な点、さまざまなことをチームで共有することができます。

 
 

□■ 山中先生のホームペ-ジ http://keiei-kyoto.com/