2007年02月05日
個人情報保護法はもともと3年を目処に改訂を考慮するといわれており、現在その準備がすすめられています。先日経済産業省の個人情報部会の「個人情報保護ガイドラインに関する説明会」に出席してきました。個人情報保護法では分野別に担当各省庁が、ガイドラインを作成し基準を示していますが、その一番基本となっているのが経済産業省のガイドラインです。一般向けというか、すべての分野にあてはまる基本項目が網羅されているものです。
■■ 改訂へむけて ■■
経済産業省ではガイドラインの改正に向けて、この1月いっぱいまで一般から、パブリックコメントを受け付けていました。個人情報保護法施行後は、何でもかんでも閉ざしてしまう「過剰反応」や、まったく何もしないでいる「過少反応」、といった両極端の現象や、政治家等による都合の良い弁解の材料とされる問題等がよく報道されてきました。
法律に対して、都合の良い解釈がなされ、個人情報保護法のめざすところからやや乖離してしまい、人々に不都合を感じさせるものとなってしまっている感が否めない状況になっています。そのため、より分かりやすいガイドラインが求められていることと、現在生じている各種不都合の解決策が盛り込まれるような方向で検討がすすめられているようです。
そのたたき台となっている、ガイドラインの改訂準備版をみてみると、これまでの誤解が生じるような、即ち読み方によっては解釈がわかれるような箇所には説明書きが加えられるなど、わかりやすく、書き直されてきているように思われます。
■■ 主務官庁への報告 ■■
その基となる現状分析のレポートもありましたが、個人情報保護法の報告件数が毎年顕著に増加傾向にあることに驚かされました。これは、経済産業省分野では、たとえ1件の漏えいであっても報告を義務付けているためで、若干各省庁による“主務官庁への報告義務”には、差があることを改めて感じさせられました。ちなみに、厚生労働省の見解では、社会的に大きな問題を引き起こすと考えられる場合とされており、前段階として、都道府県での検討を経て、重要と考えられる場合に厚生労働省に報告するよう指導されています。あまりになんでもかんでも報告があがってきても対応のしようがないということなのでしょうが、こういった省庁間の温度差も気になるところですね。
いかに、有益に個人情報が取扱われるようにリードされていくのか、今後の発表が楽しみです。
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