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歯科医院経営について ~その8~ =経営は結果ではなく作り上げるもの2=

2006年09月04日

■□ チームでの共有 ■□
歯科医院の現状をスタッフと一緒に考えてくださいと申し上げました。先生方の中には、「私のクリニックなのに、なんで雇っているスタッフから考えを聞かなくてはならないの?」とお考えになった先生がいらっしゃると思います。
経営者なら誰しもが思うことですね。セミナーでもよくご質問をいただくポイントです。
『お給料を払っている』・『雇っている』・・・これは紛れもない事実です。
けれども、スタッフがいなければ毎日の診療業務がなりたたないのも、また事実なのです。

■□ スタッフのやりがい ■□
スタッフは歯科医院の経営理念を実現するためのチームの一員なのです。例えば、歯科医院が、お芝居の舞台だと考えれば、同じ舞台にのっている共演者となります。主役がいかに優れていようとも、共演者に恵まれない舞台の成功はありえないということと同じです。それぞれが、それぞれの役をいかにうまく演じるかということに専心したときにすばらしいパフォーマンスがうまれるのです。
ですから、わかりきったことですが、スタッフ一人ひとりが幸せで、やりがいのあるクリニックであるというのが一番大切です。

■□ 情報の共有 ■□
現状分析をスタッフと一緒にするのも、情報を全員で共有し、それぞれの仕事を自らよりよく出来るように考えるためにすることです。そこにある“現状”というものが、クリニックにどう影響しているのかをスタッフも知っていることは大切なことです。
たとえば、「診療報酬が下がった」という事実が、クリニックにどう影響しているのか。3.16%という数字が、クリニックとしてはどういう事実として現われてきているのかを、スタッフ一人ひとりが知って、どうすればよいのかを一緒に考えることが大切なのです。

言い換えれば、「最近院長先生暗いわね・・。」「診療報酬下がったからだって・・。」というひとごとのような会話がなされるのではなくて、現状を共有することによって、共に舞台の上演方法の工夫を考えることのできるスタッフが必要なのです。

■□ 院長先生のお考え ■□
診療報酬が下がれば、当然のこと医院の収入というものが減りますから、対策が必要になってきます。「経費を減らす、スタッフを減らす、ボーナスをなくす、自費率を上げる・・・」と眠れない夜を悶々とすごされ、悩まれたあげくに、スタッフに「○○することに決めた」と皆に告げられます。
スタッフの反応はどうでしょうか?「じゃあ、そうします。」とすんなり受け入れられればまだ良いのですが、因果関係が理解できていない場合、院長先生の思いつきだとか、院長先生はケチだとか、あらぬ方向に話がすすんでいくことも多々あります。

スタッフの能力を120%ひきだすためには、スタッフ自身の現状理解とやりがいが必要なのです。自分自身の問題として一緒に悩み努力してくれるスタッフがいてこそ、歯科医院の経営改革はすすめられるのです。
 
 
□■ 山中先生のホームペ-ジ http://keiei-kyoto.com/