2005年07月04日
● 私は税理士なので、今までのセミナー・講演などはたいてい「節税」か「資産対策」のテーマが多いのですが、
最近は、この「個人情報保護法対策」のお話をする機会も増えてきました。
その際に直接多くの歯科医師の先生方から色々お話をお伺いすると、次のような3つのタイプの先生がいらっしゃいます。
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☆ 「法律だから守らなければいけない!」と、進んで対策をお考えになる先生。
☆ 「もともと守秘義務という意識が徹底しているから、医療界には対策は不要!」だと考えられている先生。
☆ 「個人情報の『漏えい』などということは、自医院では、はじめから起こりえない」と思っておられる先生。
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同法は、単に「漏えい」を防ぐためだけの法律ではありません。患者さん情報を取扱う際の目的の明確化や患者さん情報の管理の方法、
患者さんから問い合わせを受けた場合の対処の仕方などきめ細かい対応を求めています。
「漏えい」とは無縁でも他に必要な対策があります。
● でも現実的には、先生方が感心をお持ちなのはきっと「リスク問題」だと思います。リスクもいろいろありますが、
「個人情報保護法」における最大のリスクは次の3つが考えられます。
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(1) 患者様などの第三者からのクレーム(申立)で法律違反に問われるリスク
(2) 漏えい事件が起こって、被害を受けた方からの訴訟をうけるリスク
(3) (1)と(2)に伴って、風評被害など、経営に問題を生じるリスク
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今回は、このリスク問題を取り上げてみたいと思います。
● まず、個人情報保護法の「リスク」をあまり心配しなくて良い(?)歯科医院様はどのような医院なのかをまとめました。
1.スタッフを身内で固めている医院 ・・・・・・・・【心配度:低】
家族なのですから、個人情報の持ち出しや、 不用意に医院外で患者さんのことを話題にしたりする危険も
小さいわけですし、医院内にそのようなスタッフのルールがなくても確かに大丈夫かもしれません。
2.保険証のコピーはしない・問診票もない医院。・・・【心配度:低】
いただく個人情報は必要最小限、なるべく少ない方が危険は減ります。
3.防犯レベルの高い医院。・・・・・・・・・・・・・【心配度:中】
カルテ、レントゲン写真を盗みに入る泥棒は少ないかもしれませんが、パソコン、デジカメ、などは狙われる危険性があります。
その中の記憶装置に患者さんの情報などが保存されていれば、危険性は残ります。
防犯はどなたでも取組まれていますが、防犯対策に100%はない、という意味で心配度は中。
4.院内に「IT環境」の少ない医院。・・・・・・・・【心配度:低】
次の3つに該当する医院。
1)患者さん情報は、紙のみの記録で一切データ化していない。
2)医院で会計などに使うパソコンは、LAN、インターネットに接続しない。
3)ホームページは開設していない。
今問題になっているネット犯罪の被害者になる危険性がなくなるので心配度は低ですね。
5.ご近所エリアに同法対策をしっかりとっている個人医院がない医院。・・・・・・・・・・・・【心配度:低】
比較される心配がない。
ただし、患者様の奪い合いが激しいエリアの歯科医院では要注意でしょう。
6.患者さん情報の保有が5,000件以下の医院。・・・【心配度:×】
個人情報保護法には、確かに保有する個人情報の数が5,000件の事業所は、対象から除外する旨書かれています。
ところが、厚生労働省の個人情報保護法のガイドラインにより、病医院はその規模に関係なく遵守の努力義務を負うと記載されています。
したがって、個人情報の数によって、心配度がさがることはありませんので ×。
といったところでしょうか?
● 上記のような場合、私のような経営コンサルタントの立場から見ると、考えさせられるものがあります。
「リスク」の心配がないと喜んでばかりもいられません。
増患対策、経営の安定化・効率化、スタッフのレベルアップという、繁盛医院のための経営アドバイスをする視点でみると
ちょうど逆をいっている感じだからです。
的確なリスクヘッジこそが必要なのであって、リスクから遠ざかることばかりが最良の方策ではありません!
そして、新しい事、改善にどんどん積極的に取り組んでいただき、患者さんも、院長先生も、スタッフの皆様や業者の皆様、
関係者みんながもっともっと幸福になれる歯科医院を目指しましょう!!
( 山中先生のホームペ-ジ http://keiei-kyoto.com )