2007年05月21日
確定申告も無事に終わり、この時期になると新規のお客様が増えて、気分一新すこしバタバタ忙しい時期になります。決算の後というのは、ちょうど証憑類や書類等の区切りがよいので、税理士事務所を切替えるチャンスなのです。
こういったチャンスを待って顧問税理士を替えられる方には、いろんな事情があります。
1. 顧問料が高い気がする。
2. 相談にのってくれない。
3. 問題点を教えてくれない。
4. 税理士の先生に会ったことがない。
まあ、顧問料が高いというのは人の感覚に左右される部分もありますし、サービスの内容にもよりますから、ひとことで高いだの安いだのは言えないところがあります。けれども、4の先生に会ったことがないというのはよくお伺いします。そうやって“税理士ではない担当者”だという理解がある場合はまだしも、お話を伺っている最中に前任の先生の容姿の話になり、明らかに話が合わないこともよくあります。「税理士も人数が多いので・・」と、話をそらすものの本当に返答に困りますね。
さて、今回からは身近な税にまつわるお話をさせていただきたいと思います。
少しでも先生方の節税につながると嬉しいですね。
■□ 雑損申告 ■□
さて、叶姉妹の持ち逃げ事件、宝石と現金の総額5億円をマネージャーをしていた次女に持逃げされたというあの事件です。さすが、被害額もゴージャスですね。さて、これに似たような話が先生方のまわりでもありませんか?
「そうそうこの間泥棒にはいられてさ!税理士の先生に相談したら、セコムをつけなきゃ!ていうのでお世話になることにしたよ!」
そうです、泥棒にはいられないようセキュリティーの対策はとても重要です。
でも、実際に被害額のある場合には、確定申告でせめて損した分を少しでもなんとかしてもらいましょう。
税務上は雑損控除といいますが、そのポイントは、
・生活に通常必要な資産で
・災害、盗難、横領に基づいた損失
これらについては税務上、その損失の実質負担額が所得控除の対象となります。
ですから、叶姉妹の場合、2億円のお金は生活費だとなると該当しますが、宝石は該当しません。
2番目のポイントは
・災害、盗難、横領に基づいた損失であること
どこかに置き忘れたとかいうのは該当しません。酔っ払って寝ているうちにとられたのは盗難ですが、置き忘れたのならダメということになります。また、自分で振込んでしまった「振り込み詐欺」や、「恐喝」にあった場合も該当しません。
3番目のポイントは
・生計を一にする家族の分も申告可能
お子様や奥様の被害も、同居しているご両親の被害も、損失として申告できることです。叶姉妹の被害額も、実は二千万円程度だとか一千万円もないとか、いろいろ囁かれていますが、被害にあわれた場合には警察に届けて被害額を確定することをお忘れなく!