MAIL MAGAZINE メールマガジン

個人情報保護法の歯科医院での対策 その基礎知識 ~その10~

2005年11月21日

この文章を書いている今日は野球のアジアシリーズの決勝戦がありました。
それにしても、「千葉ロッテマリーンズ」の強さはすごいですね。
向かうところ敵なし状態とでもいえるほどです。大相撲界の「朝青龍」のようです。しかしどの分野に限らず、やはり「圧倒的に強い勝ち組」にまわりたいものです。競争に勝つということは周りの競争相手を蹴散らすことではありません。ご自分の能力を最高に発揮させることなのですから。

◆患者様を大切にするこころ
では、歯科医療業界での圧倒的に強い勝ち組になるとは? 私は、単に「儲かっている歯科医院」ではなく、より多くの大切な患者様に永く永く愛され続ける医院であることだと思います。患者様が患者様をよび、地域でネットワークの輪が広がっていく!って、とてもすばらしいことです。そのためには様々な重要な要素があることでしょう。「高度な歯科診療技術」「最新設備」「美しい院内インテリア」・・。でもここでは、個人情報保護法のお話の締めくくりとして「患者様を大切にするこころ=(具体的にいうと患者心理を理解する気配り)」を取り上げたいと思います。

◆歯科医院が個人情報の保護としてめざすゴール
個人情報保護法対策というと「漏えい対策」「情報機器の管理」などのハード面につい関心が向きがちですが、実は次の3つの意味でソフト面での取り組みがとても重要です。

1.感覚のまひ
歯科医院での患者様情報も、毎日のように扱い慣れることによって、「機微性」への感覚が薄れることが考えられます。医院内にある患者様情報はご本人からお預かりしている貴重なものだという感覚を常に持ち続けることがとても重要です。
    
2.ルール違反
歯科医院での患者様情報の取扱いを法律にのっとって、医院内でいくらルール化しても実際に守るのは、結局は“人”です。「少しくらい違反してもどうせ何も起こらない。流出したって実害は何もない。今回だけ。」などという気のゆるみがでると、スタッフによる漏えい事故も発生しかねません。

3.患者様心理
診察室での患者様へのお声がけや、診療内容のご説明の自然な会話から個人情報が漏れていることがあります。そういったことへの配慮は当然必要なのですが、その上で患者様の調子やお気持ちをくみ取った対応ができれば、もっとすばらしいことですね。

以上のように、個人情報保護法対策は、院長先生はじめとする医院のスタッフ全員の高いモチベーションを持続させることが不可欠です。それは、単なる法律対策にとどまらず、患者様から愛される歯科医院、何度も来たくなる歯科医院になる不可欠な条件のひとつではないでしょうか?ともすれば、後回しになりがちな「スタッフに関する様々な改善テーマ」を同法対策の一環として取り組むのもひとつの方策ではないでしょうか?