2005年03月22日
※今週より、京都で会計事務所を開設されておられる、山中素子先生に今年の4月1日から施行される「個人情報保護法」について、解説をしていただきます。
山中素子先生は、税務・会計・経営指導についてのスペシャリストであるばかりか、IT化支援などもコンサルティングの範囲とされています。
これから、興味あるお話をお伺いできることでしょう。お楽しみに!
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平成15年5月に成立した個人情報保護法が、いよいよ4月1日より全面施行になります。
このメルマガをお読みの歯科医師の先生方の中には、「医院での個人情報保護なんて、医師としての資格法があるし、刑法に『守秘義務』があるから、もともとあたりまえ!・・それに、この個人情報保護法は大病院の話では?」と思われている方も多くおられるのではないでしょうか?
ところがところが、その認識は大間違いなのです。
その大きな理由は次の3つです。
(1)個人情報保護法には、法令上の義務を負うということに対し、保持する個人情報の数が5,000という基準を設けています。
けれども、医業関係では昨年末に発表された厚生労働省のガイドラインに、「個人情報取扱事業者としての法令上の義務等を負わない者にも、
ガイドラインを遵守する努力を求める」という、厳しい方針がうちだされました。
(2)ガイドラインでは、ただ法を守るだけではなく、個人情報保護のために積極的に取り組んでいる姿勢を対外的に明らかにするよう求めています。
具体的には、医院での、個人情報保護に関する考え方や方針を作り公表することや、個人情報の取扱いに関する、
明確かつ適正な規則を作り、それに基づいた適切な措置を行うことが必要となります。
(3)同法遵守義務を怠ると、刑事罰を受ける可能性があるのですが、それ以外にも情報漏えいがおこると、
最近のプライバシー尊重意識の高まりによって、患者様から、思わぬ民事訴訟を起こされる危険性が増えてきました。
以上のようなお話をすると、非常にネガティブな印象を持たれるかと思いますが、しかし、同法への積極的な取組みは、患者様からの医院への信頼感のアップにもつながり、必要となってくるスタッフ教育を、意識改革の新たなきっかけとすることも可能ではないでしょうか。
このコーナーでは、これから数回にわたり、歯科医師の先生のための個人情報保護法に関連する基礎知識と、歯科医院での対策を、わかりやすくご説明してまいります。
この法律対策のいち早い実施が、他医院との差別化、医院改革のきっかけとなれば幸いです!